そんなのズルイ。10

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｢……ね、マネヒョン。
日本に行ってきてもいい？｣




MG｢……だめだ。テヒョナ、気持ちは分かるが……｣




｢……あーもう、分かってるよ！
どーせ仕事でいっぱいなんでしょ？｣




MG｢……日本のツアーが始まるまで大人しくしてくれって言ってもAさんも仕事してるしなー。｣




｢日本のツアーって……一体何ヵ月先の話してんのっ？
……はぁー。｣









　
毎日電話しても、満たされない。
……だって声聞けば会いたくなるじゃん。






ダメ元でマネヒョンにお願いしてみた所で返ってくる返事はわかりきってるし日本のツアーっていつの話なんだよ。






　

とりあえず声は元気そうだし、日本での風当たりはあまりないって彼女は言っていて。





　

会社でもだいぶ配慮してくれてなんだか気が引けちゃう、なんて遠慮がちに笑っていたけど
……なんかモヤモヤするのは何でだろう。









　
　
　
韓国での仕事が多くてずっと事務所と宿舎との往復は相変わらずで、最近ジミナは彼女ができたらしいし時の流れは案外早い。









最近はSNSをチェックするもどれも似たような書き込みで、鋭いファンによる考察ではAが俺らのマネージャーだったということも割れてしまっている。






　

どこから引っ張ってきたのか分からないけれど彼女の素性までわりと正確に書き込まれてしまい、やっぱり面白くないファンはあることないこと持ち出しては彼女を批判している。









正直、もうSNSを見るのもしんどくて。








守りたいのにそれが出来ない歯痒さと、やっぱり俺はファンあってこその存在なんだって思わされるもどかしさでだいぶ滅入っていた。









　


　
ツアーの合間に事務所が用意してくれたあの島での休暇。









あの時、自分で撮った彼女しか映っていない綺麗な写真……
俺の目線で追った彼女の自然体なそれはすごく綺麗だった。









それをスマホに移して眺めるだけ眺めて思うのは会いたい、たったそれだけで。







　
海を渡れば隣国の日本なんて近いはずなのに俺らって笑えるぐらい壁だらけ。









　






　
　

……バレなきゃいいし、バレてもいいや。









なんて思う俺はやっぱり浅はかで大ばかなんだろうけど。
少しぐらい芸能人じゃなくてただの男になってもいいじゃんって開き直って。



　







俺は彼女の写真をSNSで流した。









　



　

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