そんなのズルイ。10

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会場いっぱいに響く音楽。





高砂とその隣に用意された特設ステージだけを照明が照らしていて、流れたその曲のイントロは考える必要もないすぐに分かる大好きな、彼らの曲。







……どうしよう、すごく緊張する。







落ち着け……彼らに、彼に会いたいとは思って、願ってはいたけれどここは親友と恩人の結婚式。
ヨコシマな気持ちで見ちゃ、聞いちゃだめだ……なんて思ってはいるのに膝の上に置いた手が少しずつ震えてくる。









まるでライブハウスみたいな演出。
会場がざわつき各々がスマホやカメラを片手にこの曲の主を待ちわびていて。







やがて後ろの扉が開き7人のメンバー達がぞろぞろとやってくればたくさんの悲鳴が上がった。









……わぁーっ、久しぶりだな…
皆、変わってない……元気そうで良かった。






ふふっ、なんか随分と懐かしく感じちゃう。
前はあんなに毎日顔を合わせていたのに何だか変な感覚。
やっぱり全員揃うとオーラも凄くて本当に格好いい…









全員スーツでやって来たメンバー達。
歌い出しまでの長く編集されたイントロの合間にそれぞれが

マネヒョンー！
結婚おめでとう！
お幸せに！
リアンさん綺麗ー！

なんて言いながらステージ上ではしゃいでいて。








緩い雰囲気というかまるで控え室にいた時のリラックスしたようなノリでマイクを持つ彼らが二人のために捧げた曲は｢ＤＮＡ｣だった。









やがてテヒョンさんの歌い出しが耳に入ればカラダが無意識に跳ねてしまって。









　


一目でキミだって気づいたんた
互いが呼び寄せられたみたいに
俺の血管の中のDNAが教えてくれたんだ
俺が探し回っていたのはキミだってこと









　



　
低くて甘いハスキーな声。






会いたかった、大好きな人の声。









イムさんとリアンさんに向けて皆が選んだはずの曲にドキドキする私って……







　

歌詞が、あなたの声が胸に響いて心臓がどくんって鳴る。








緊張しっぱなしでまともに彼の姿をまだこの瞳に映すことができないでいれば隣に座っていたエリちゃんが可笑しそうに微笑み私の肩をとんっと小突いて。








　




　


俺らは違うよ
運命を見つけ出した二人だから









　

顔を上げてやっと大好きな、愛しい彼を捉えれば
バチンと互いのそれが交わって、私を見つけたテヒョンさんはにっこり微笑んで歌ってくれた。









　

　
　


　
　

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