そんなのズルイ。10

468 ページ21

ｴﾘ｢……皆オンニがいなくなってから何となく元気なかったんですよ。でもやっぱりプロだから、普段通りカメラに向かう姿勢はさすがでした。｣




｢……そっか。そのうち慣れるよ……彼らならきっと大丈夫。
たまにでいいから思い出してくれたらそれで充分だよ。
……ふふっ、でも皆元気そうで良かった。｣




ｴﾘ｢……んもう！収録終わって控え室戻った途端に静かになる瞬間なんかは本当に気まずかったんですからっ！
でもまぁテヒョン君が一番ツラいはずなのにそれを感じさせない集中力を見せてた、かな。
……問題はその他のメンバーですよっ！特に……｣









　

　
　
式場までの道のりで私がいない間の彼らの様子を教えてくれるエリちゃん。









……ふふっ。聞いてるだけでも幸せだな、なんて思う私って相変わらず性格悪いかな。
でも私が韓国を離れてた間の彼らの様子を聞いてしまえばあの事務所で確かに働いていたんだって実感できて不謹慎にも嬉しいって思っちゃう。







タクシーに揺られ、式場に着けば
思った以上のその人の多さにびっくりして。






　


そういえば韓国って日本とはちょっと違うんだっけ、なんて郷に入っては郷に従え精神でとりあえずマナーなどはエリちゃんの見よう見まねでなんとか会場に入る事が出来た。







雰囲気は日本とあまり変わらないスタイルで、今日の主役の思い出が詰まった写真や前撮りの写真、暖かな手作りのウェルカムボードがお出迎えしてくれて、随所にリアンのセンスやこだわりが散りばめられたそれは見るだけで私も幸せな気分になった。









エリちゃんとはしゃぎながらもやがて案内された席に着席すれば静かに、厳かに始まった結婚式。






　




……やばい、泣きそう。









　



初めて見る親友の一番綺麗な姿。
……リアン、本当に綺麗だな……
凄い、本当に綺麗……









たくさん思う事はあるはずなのに
言葉が出なくてだんだんと視界がぼやけてくる。









それはエリちゃんも同じみたいで二人ともすっかり眉が下がってしまっていて。








ゆっくりと私達の前を歩くリアンはそんな私達にそっと顔を向けてにっこりと微笑み、それを見た瞬間にぼろぼろと涙が溢れてきた。









　
綺麗だよ、リアン。
すっごく綺麗。









やがてイムさんと二人寄り添い、並んだ後ろ姿を目にしてしまえばハンカチが手放せなくなってしまった。









　



　

　

469→←467

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す