はじまりは、不純。2 (ページ12)

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急すぎる全部に頭が追い付かなくてぶちゅ、と派手に鳴って重なった唇に目を見開いて。
覚悟って……何を？と考える間もなくスーパーアイドルジミン氏のその微笑みにカッと頬が熱くなった。

忘れよう、と心に決めたはずなのにそれが揺れそうでまた私は彼の言葉に振り回されてしまいそうで。
納得いかなくてモヤモヤしてしまった私は間違っているんだろうか。

だって……はじまりは、不純だった。
こだわるつもりはないけれど、あなたが私に初めて声をかけたあの日は二人とも自暴自棄になっていて、理由なんかもっとめちゃくちゃだったんだ。

　

　
　
｢……やっ、……やです！
こういうことがしたいなら他の誰かにっ、｣

JM｢…………は？｣

｢……私はっ、仕事を頑張らなくちゃいけなくて毎日必死でっ、
ジミン君とは何もかもが違うんですっ……
誰にも言わないから、無かったことにするからっ
だからもう、｣

　
　
はっきり言って私はスーパーアイドルの遊びに振り回わされたくなんかない。
相容れない立場なんだってついさっきの見学で見せつけられたばかりだし……だいたいっ……
君の周りには綺麗で美人な女性が溢れてるじゃないかっ

惨めな上に可愛くない興味ないって全否定されたばかりだし
ジミン君の矛盾に納得なんかいかない。
期待したくないし仕事やめちゃえば、なんてあまりに無責任な言葉を投げつけられて。

ジミン君なんか好きじゃないしもう憧れでもなんでもない。

……嫌いだもん。

　

　
　
JM｢……他の誰かなんて言わないでAヌナ。
俺は、｣

｢……聞きたくないっ…
ジミン君は今まで通りお仕事頑張って下さい！
可愛くなくて似合わなくてもっ…こっちは毎日必死なんです！
……いーだっ！｣

　

　
　
今どき小さな子どもでもしないような、負け犬のような文句とめちゃくちゃな全て。

情けないほどの遠吠えみたいなガキっぽいそれを精一杯ぶつける私は間違いなく本当のバカ。

何を言われても今は泣けそうで惨めで劣等感満載で、
我慢できずにぽろぽろと涙が流れてしまえばなんだか嫌われてしまいたいとすら思った。

私を掴むジミン君の手を無我夢中で振り払い、ごしごしと濡れた唇を擦って痛い全てを無視して踵を返して。

バタバタと駆け出しその場を離れればなかなか戻らない私を探していたんだろうマネオンニと鉢合わせて。

思わず私は抱きついてしまった。

　

　

　