はじまりは、不純。2 (ページ11)

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……分かんないよ。
私はジミン君が分かんない。

可愛いって……そんなの馬鹿にしすぎてるし聞いてるのはこっちなのに答えないまま逆に質問するのは意地悪すぎる。

ぎゅうって強く抱きしめられたって理解出来ない私は納得なんかしなかった。

　

　
｢っ……離してよ、……ジミン君なんか…………らい、｣

JM｢んー？｣

｢……きらいっ……ジミン君なんか大っきらい！｣

JM｢ふはっ！……うん。
だよね。俺もヌナだったらこんな最低な俺なんか嫌いになると思う。｣

｢だったら離して！もういいでしょ、……私に構わないでっ｣

JM｢……やだよ。やっと会えたのに構わないなんて無理。｣

　

　
　
憧れのスターとひょんなことで不純な関係を持ってしまい、本来の自分を隠したまま２度もそれを繰り返した私はそれを割り切れなくて後悔と妙な気持ちの狭間で戦い葛藤し、随分と時が経った今でも悩んでいた。

いや、いつだって私の心の中にはあなたがいて
無かったことになんて出来なくて、きっかけは不純すぎるけど……私はあなたを想ってた。

痛い女かもしれないし勘違いも甚だしいって何度も自分を否定したのに想いが断ち切れないのは……ジミン君のせいだもん。

あんな声であんな微笑みであんな触れ方するなんて、私……知らなかったんだもん。
具体的な言葉を言わないのにあんな風に抱かれるなんて初めてで。

経験が浅い無知な馬鹿女だって認めるけど、だったら期待させないでほしいし無かったことにして欲しかった。

ごめん、ってそういう意味だったくせに。

　

　
　
｢……私は、会いたくなかったっ｣

JM｢ふふっ……俺は会いたかったよ。
ヌナにずっと会いたかったもん。｣

｢っそんなの信じない！
仕事だって頑張りたいのにあんな言葉っ……酷いよ、
ジミン君なんか嫌いだもん！｣

JM｢嫌いってそんな何回も言われればさすがにきついって。
でもまぁ仕方ないか俺めちゃくちゃだったし。
だから、俺に頑張らせて。｣

　
　

さっきまであんなに私を全否定してたはずのジミン君が真逆すぎる全てで私を惑わせ翻弄する。

嫌い、と本心なのか分からない勢い任せに投げ付けた言葉も響かない、とでもいうようにあざとく微笑みまた距離をゼロにさせられて。

　

　

JM｢……ヌナ……覚悟しといてね？｣

　

スーパースターの満点すぎる笑みのまま触れた唇に、発狂しそうになった。

　