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「まじでやばいですね
HEATWAVEとSILVERRAIN」
『あ、みた、みました、みさせてもらいました』
「あんなに熱く色んなアドバイスいただいたのに」
『ごめんごめん、結構さ、日が経つから』
「そんな一週間も経ってないですけどね、まだ」
冷静に返してくる樹くんに
泣き真似をしていると
「でも本当に、なんか
これからも頑張ろうって改めて思いました」
『よかった〜』
「すごいですね、改めて尊敬しました」
『いや、でも本当にさ
武者以来だったけど、しっかり皆の事を見たの
ほんとにみんなかっこよかった』
「みんな、ねぇ」
『うん、みんなかっこよかった
もちろん樹くんもね』
『卒業してまだ数週間しか経ってないけど
グループいいなぁって思ったよ』
そう話すAに
「もう歌わないんですか」
『そうだね〜なんか別に一人で歌ってもな〜
アーティスト業は卒業するって決めたし
別に歌いたいわけじゃないかも
どちらかといえば踊りたい』
「じゃあAさんの司会する
紅白に出るの目標に僕は頑張ります」
『いや、それはタイミングじゃない』
笑い合い
『帰ろっか』
「そうですね」
『歩いて帰るの?』
「歩きます」
『先出てていいよ』
「一緒に帰りません?」
『馬鹿なの?』
立ち上がりながら言うAに
笑いながら
「あ、帰る場所は違いますよ?
何言ってるんですか?」
『あ、うん、ごめん』
”健太さんじゃあるまいし”
と言いながら先を歩く樹
『あのねぇ』と怒りを向けると
「まぁ別に一緒に帰ってもいいですけどね
たぶんマースも喜ぶし」
『マースにはいつか会ってみたいなぁ〜』
「会ってあげてください」
『ビスコにもまた会ってあげて』
「ネーミングセンスまじでないですよね」
『スコティッシュだし〜
私の大好きなおやつと同じ名前だから』
「そのままですけどね」
『うるさいなぁ』
事務所を出て二人肩を並べ、そう話す
「実家でしたっけ犬みたいな名前の猫は」
『あ、ポチ?』
「あーそうそう」
”犬とかやめて”そう笑うAの姿に微笑み
「ビスコ、今年中には会わせてくださいね」
『もちろん』
「じゃあ、お疲れ様でした」
『樹くんもお疲れ様
プレゼントありがとう、めっちゃ嬉しかった
すぐ付け替えるね』
そんなAに微笑み
エントランスへ入っていく姿を最後まで見守る
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作者名:ひかり | 作成日時:2022年1月27日 13時