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「噂で聞いたんだけどさ〜。

英太くんと同じクラスの…Aちゃん、だっけ?
お互い好き同士ってホントなの?」









部活中となりで休憩していた瀬見さんに

天童さんがなんの遠慮もなく質問してきた。









天童さんの口から出てきた名前とその内容に驚いて

飲んでいたポカリをTシャツと床に吹き出す。







「お、おい大丈夫か!?」


「もー何やってんのさ太一」


「すんません…」









いや、なに驚いてんのって話だけど。



正直、Aさんと瀬見さんが??と

信じられない気持ちでいっぱいだったわけで。








ググッと、急に左胸のあたりを何かで突くような感覚がする。




あーまただ、なんか変。

この前のと似た感じ。ほんと何なんだろ。









「で、どうなのさ実際。噂の真相は…!」


「あー、それは」








床に落ちた水滴をタオルで拭きながらも、

全神経を瀬見さんの言葉に注ぐ。






別に聞かなくてもいい、俺の気にすることじゃないのに。

知っても知らなくてもどっちでもいい。








どっちでもいい… けど、

瀬見さんの口から肯定の言葉が出るのは、なんか嫌だな。







「それは〜〜??」


「それは……ねえよ、全く」


「えっ無いの!?」


「誰かが勝手に流した噂だ。気にすんな」








瀬見さんが汗を拭いながらそう答えた。







「なぁんだ残念。まあ英太くんに色恋沙汰なんて無いよね〜」


「失礼だなおい!」








天童さんはつまらなさそうに言い放って、この場から離れた。



左胸にあった痛みが、じんわり和らいでいく。

あ、痛く、なくなった。









「どうしたんだお前、驚いた顔して」


「え?いや別に」








瀬見さんに言われて、いま自分がどんな顔をしてるのかに気付く。





さっき、無意識に拒絶した。


瀬見さんが認めるのを嫌がった。









「よし、そろそろか。行くぞ川西」


「あ、はい」








いやいや有り得ない。おかしいでしょ。


軽く頭を左右に振っては頭の中に現れたモヤモヤを消し去った。







そのあとのチーム戦はサーブはネットにかかるし、

ブロックしても正確に止められなかったし、

しまいには監督に怒られたりとかなり散々なものだった。

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作者名:nome. | 作成日時:2017年2月12日 0時

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