２１ ページ22
.
次の日。
朝一番に、昨日の出来事と太一とお付き合いすることになったことを友人たちに直接報告した。
昨夜のうちに連絡してもよかったけど、
二人には直接言いたかったから我慢した。
｢しっかし、よくやった！｣
｢ほんと頑張ったね〜｣
すべての報告を終えると、まるで自分の事のように2人ともぎゅっと駆け寄って喜んでくれた。
そして感心したように褒め讃えてくれた。
｢いや〜ありがとうございます｣
うへへ、と照れながらお礼を言う。
ここまでくるのに大変な道のりだった。
太一にイヤな顔をされたり、
女の子といる姿を見てモヤモヤしたり、
太一を避けて逃げまくったり、
自分の気持ちを抑え込んだり、
ミンミンと恋仲だと勘違いされたり、
いやーー、ほんとに……
｢いや。あんたじゃなくて川西君ね？｣
｢ん？｣
｢Aは返事しただけでしょう？｣
｢んん！？｣
……勘違いした。
どうやら友人たちが褒め讃えていたのは、
私ではなく太一の方らしい。
まあ、確かに。
先に行動を起こしたのも、
先に気持ちを伝えたのも太一だから何とも言えない。
｢でも、本当に良かったねA｣
｢うんっ！…うほほ｣
｢うわ、思い出し笑いしてる。キモい｣
｢川西くんもよくAを引き受けたもんだ｣
今なら何を言われても全然平気な気がする。
何とでも言え。どんとこい、だ。
緩みの絶えない私の顔をいじりながら騒がしくしていると、
はよ〜瀬見。とクラスの男子がミンミンに挨拶する声が聞こえた。
｢おう、おはよ｣
朝練でもしてきたのだろうか。
少しシャツのボタンを開けて、
髪の毛がちょっとだけ乱れたミンミンがクラスメイトに挨拶しながらこちらへと歩いてきた。
｢っす。朝から賑やかだなお前ら｣
｢うぁあ！ミンミンおはよおおお！！｣
興奮気味の声で挨拶すると、顔を歪めたミンミンが
降参するかのように両手を上げて「分かってる」と1歩後退りした。
その表情や台詞から、彼が私たちの関係をちゃんと知っているという事が理解できた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 720人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nome. | 作成日時：2017年2月12日 0時
