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「Aのさ、それって恋なの?」





昼食を終えて友人たちと食後のデザートもとい、

持ってきていたお菓子をつまんでいると

隣の席に座っていた友人がそう聞いてきた。








「ん?何が?」


「2年生の。あの背の高いバレー部の子」


「ああ。太一のこと!?」






どうやら太一に対しての私の感情は何なんだという質問らしい。









「いいなぁ可愛いなぁ〜とは思うよ。でも、」









恋愛感情といわれると何か違う気がするし、

もはや母性?…いやなんか違うな。









「んーどうなんだろ、よく分からない」






結局、考えることを諦めてそう返す。

すると前の席でポッキーを咀嚼していた友人が口を開いた。









「Aは瀬見くんとじゃない?」







出てきたのは意外な人物。

思わず力が入り、食べようとしていたポッキーがパキッと折れる。








「え、ミンミン?……ないな!」







机にこぼれた屑をささっと払いながら答える。






「即答しちゃったよ、この子」


「そりゃあもちろん」


「でもAたち噂になってるよ」


「そうそう、あれは絶対付き合うって」







ね〜っ!と友人たちが可愛らしく口を揃える。





はっ、なんだって!?

おい誰だ。そんな根拠の無いことを噂してるやつは!!?







「ミンミンはバレーの事しか頭にないよ、っと」






言い終えると同時にカタンッと立ち上がる。








「お、どうした?トイレ?」


「ううん。ちょっと図書室いってくる」


「Aって意外と読書家だよね」


「おバカさんっぽいのにね〜」


「こら、失礼な!」







からかってくる友人たちに、いーっ!と威嚇して教室を出た。




全く失礼な子たちだ。

しかし私より頭がいいから何とも言えん!






生徒たちが賑やかに行き交う廊下を黙々と歩く。









Aのさ、それって恋なの?







んーーー。そりゃあ周りから見たら、

私はかなりの太一好きに見えるだろうし。






実際、意外と真面目なところが可愛いし、あの声、

あの腰、あの表情、 あの細さ、いやぁ〜たまらん。



汗かいたら色っぽさ増すタイプだなアレは。うんうん。








「…………」







あれ、なんか思考がズレてきたな。

私の太一への感情って、ほんと何なんだろう?






うーん、と顔をしかめながら

頭の中のモヤモヤと格闘しているうちに

いつの間にか図書室へと着いた。

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作者名:nome. | 作成日時:2017年2月12日 0時

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