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選手たちがウォーミングアップを行う。
やはり注目されている牛島くんの打ち込む球は
他の選手と違って床にぶつかる音が重たい。
観客席からは「わぁっ」と驚きの声が上がる。
間近で打たれたら骨折れるぞ絶対。
ひぃ〜、とそんな想像しながら視線を太一のほうへと向けた。
しっかしユニフォーム姿の太一たまらんな。
なんだあの細い腰は。
手足長いし首筋とか色っぽいし。
全てがどツボ。どんぴしゃり。
はーー好き。とてつもなく好き!!!
「一眼レフ欲しい」
「まーーたカメラを求めて嘆く」
毎回の事ながら。
この太一の素晴らしい姿を「形」として残しておきたい私は
ひたすらにカメラを求め友人たちに呆れられた。
*
アナウンスに準じて両校の選手紹介が終わる。
会場全体に緊張感が走るなか、
ピィーッと試合開始を告げる笛の音が会場に響き渡った。
やはり牛島くんは誰よりも強かった。
周りも主砲である牛島くんを起点として次々に点を入れて。
安定の強さで第1セットは白鳥沢が取った。
2セット目からは烏野も会場の雰囲気に馴染んできたようで。
全員での攻撃などで少しずつ点差を縮めてきた。
途中ミンミンがコートに入って、
それはもう声が枯れるくらいの勢いで応援した。
やっぱり同じクラスの選手が活躍するとても嬉しいものだ。
けれど、さすがは青葉城西を倒してきたチーム。
牛島くんの強烈なスパイクにしっかりと対応してきた。
特に向こうのメガネ君の活躍は大きくて。
長い攻防戦の末に、第2セットを取られてしまった。
*
第3セットは何とか取り返したものの、
第4セットがなかなか決まらなかった。
もう優勝は目の前なのに。
あと1点が欲しいのに、もらえない。
手に汗握る展開にみんなで必死に応援をした。
けれど烏野の粘りと巧みな攻撃、
烏野10番くんのスパイクに一歩届かなかった。
太一はちゃんと反応はしていたように見えたけど、
それでも烏野は全員がちゃんと強かった。
試合終了の笛の音が鳴り響く。
セットカウント《2-3》
白鳥沢は県予選の決勝で姿を消すこととなって。
会場全体の音が遠くにあるような感覚がした。
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作者名:nome. | 作成日時:2017年2月12日 0時