ぎゅってして

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八乙女side






あれから病院につき治療を受けた大ちゃん。そこまで大事には至らなかったようで安心した。







ここ最近、日に日に不安定になっていく大ちゃんの姿。さっきの取り乱し方的にも俺らに残された選択肢はひとつしか無かった。








先「有岡さんには、精神科の受診をおすすめします。」







薮「っ、精神科、ですか、、」








先「有岡さんはパニック障害の疑いがあります。」







八「パニック障害、」









先「詳しいことは検査をしてみないと分かりませんが、恐らくそうではないかと。」








パニック障害、聞いたことはある。でも、どんな病気なのかまでは知らなかった。だからこそ、余計に現実味がなかった。大ちゃんが病気かもしれないなんて。







先「あまり食事も取れていなかったように見えます。今日1日はとりあえず入院してもらって、明日、ここの病院にある精神科への受診をお願い致します。部屋は415室です。」







薮「はい、ありがとうございました。」







ありがとうございました、と挨拶をし大ちゃんの病室へと足を運ぶ。正直どうしていいか分からない。
なんて大ちゃんに声をかければいい？そんなことを考えていると薮にデコピンを食らわされた。







八「いって！何すんだよいきなり！」








薮「光、大ちゃんの前でその顔は見せらんないよ？」







八「えっ、、あ、ごめん」






薮「俺達まで不安そうにしてたら余計に大ちゃんが不安になるから。」








薮とはJrの頃からずっと一緒だったけど、時々ふと思う時がある。俺は1歩置いていかれてるなって。








八「そうだな」








そう言って笑ってみせると、「それでよしっ！」と頭をわしゃわしゃと撫でられた。







今思えば、大ちゃんは辛いことも悲しいことも全部全部1人で抱え込んでいたのだろう。







だって、大ちゃんはいつも笑顔だったから。その笑顔に俺たちは騙され続けたんだ。








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