小人の彼女 2

あたたかいコーヒー ページ31

SC｢あ、Aさん。いらっしゃい｣

『お疲れ様です。コーヒーいれましょうか？

今日はちょっと冷えますし』

SC｢ですね、お願いします｣


珍しい、スンチョルさんがこの時間にいる

なんて。

リビングで作業をする彼に温かいコーヒーを

運んだ。


SC｢ありがとうございます｣

『珍しいですね。スンチョルさんが家で

お仕事してるなんて』


ウォヌさんは突然リビングにノートを

持ってきたりするし、ミンギュさんも良く

宿舎にいる人に意見をきいたりしている。

でもスンチョルさんが仕事しているのは

初めて見た。


SC｢ああ〜、なんか、事務所にいづらくて｣

『…いづらい？』

SC｢あ、別に変な意味じゃないんです。でも

なんとなく、家帰りたいなあって。多分、

仕事してる弟たちを見ていたくないから

なんですけど｣

『なるほど…』


とは言ってみたものの、良く分からなかった。


SC｢はは、伝わらなかったですね。うーん…

一言で言うなら、寂しいんです｣

『寂しい、ですか』


メンバーが仕事しているのは誇らしいことじゃ

ないのだろうか。


SC｢すみません、良く分からないですよね。

俺もはっきりしてないのに｣

『いや、正直良く分からないですけど…

寂しいなら、私とゲームでもしますか？』

SC｢え？｣

『あ、笑いましたね。これでも私

強いんですから』

SC｢でもあいつらに誘われてもやらないじゃ

ないですか｣

『遊びではやりませんよ。でも私の仕事は

皆さんがこの宿舎で心地よく過ごすことです。

寂しさを紛らすには遊ぶのが一番ですから』


自分が寂しさを埋められる、なんて図々しい

ことは思っていない。ただ、彼を一秒でも

笑顔に出来るなら、私のいる意味がある気が

した。


SC｢はは、ありがとうございます。

でも大丈夫です、仕事詰まってますし。

それに俺とゲームしても楽しくないと

思いますよ。俺、力加減とか出来ないんで｣

『わー自信満々ですねー』

SC｢棒読み辞めて下さいよ｣


特徴的な笑い声をあげる彼を見て、ほっと

肩の力が抜けた。


SC｢でも、遊びで良いので弟たちに誘われたら

付き合ってやってくれませんか？

あいつらだって断られたら寂しいと思うので｣


驚いた。仕事に厳しく、はっきりと私と一線

引いているスンチョルさんの言葉とは

思えない。


『…実は私、ほとんどゲームやったこと

ないんですよね』

SC｢…ぷはっ、だと思った！！｣





笑い声に満ちたリビングは、とても暖かかった

意味　SC→←正直に言えば

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