小人の家政婦 2

怒涛の展開 ページ21

事務所に着きマネージャーさんの名前を

出すと、1階の事務室という部屋に通された。


いきなりやって来た私に驚いた様子も

無かったので、既に連絡は来ていたのだろう。


『マネージャーさん、話さなければいけない

ことがあります』

「おう」


申し訳なさそうな顔をしている

マネージャーさん。

私を辞めさせることに対しての表情だろうか。

本当に優しい人だ。

ちゃんと挨拶をしに来て良かった。


『今日、私が宿舎を出るのが間に合わなくて

数人のメンバーさんと鉢合わせしました。

がっつり顔も見られましたし、

ドアを開けた時にドアがメンバーさんと

ぶつかってしまいました。

本当にごめんなさい』

「そうか…いや、俺こそ本当に『それで、


辞めさせて欲しいんです、この仕事』


言い切った。

よくやった私。

これでマネージャーさんの罪悪感も少しは

減るだろう。

マネージャーさんは何か言いたそうだったが

気にせず続けた。



『短い間でしたが、SEVENTEENの皆さんを

支えることが出来て本当に誇らしかったです

そしてとても充実していました。

マネージャーさんのお陰です。

ありが「待て！待て待て早まるな！」…え？』


早まるな？？？


マネージャーさんは何故か焦った表情で

立ち上がり、私が入ってきたのとは別の扉を

開けた。


「やっぱり若い女の子にこの仕打ちは

酷ですよ…」

「うん、私も今凄い罪悪感に苛まれてる」


そこから出てきたのは、凄く綺麗な女の人。

いかにも仕事が出来そうな人だ。


「はじめまして」


彼女はいきなり握手を求めてきた。謎すぎる。


「失礼ながら、今の会話、全部隣の部屋で

聞いていました」

『は、はあ…』


頭の中が疑問符で埋め尽くされた。

展開に全くついていけない。


「試すようなことをして申し訳なく

思っています。貴女が誠実に仕事と

向き合ってくれていたのだと分かりました」

『ありがとうございます…？』

「そこで、です」


女の人は持っていたファイルから1枚の紙切れを

取り出した。



『あっ、それは…』


自然と最後の項目に目がいった。



⚪︎メンバーに決して姿を見せないこと。
コミニュケーションを取るなんて論外です。



契約用紙だ…


「貴女はこの最後の契約を破りました」

『……はい』


淡々とした女の人の声が痛い。

耐えきれず俯くと、

予想だにしなかった音がきこえた。





ビリィッッ





『…え？』

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