❮side back❯ ページ30
❮side back❯
･
翔くんはマンションの前で車置いてくるからとわたしを降ろした。
鍵…わたしがドアノブにかけっぱなしにした鍵を渡して。
ごめん。翔くんごめん。
翔くんの部屋、なんか汚くなってた。シンクに溜まってるカップ麺の殻。本当に彼は、冗談抜きで、麦茶しか作れない。
とりあえず洗うか…ってシンクに立ち向かってみる。汚っ。なんなのほんと。
翔くんが入ってくる音がする。
「…あ」
キッチンのわたしを見て、ばつが悪そうに笑った。
「あーじゃないよ。洗い物」
「はい…ごめんなさい」
素直でよろしい。
「…着替えたら？とりあえず」
「うん…あっ」
「え？」
「荷物とか全部、あっち置いてきちゃった。実家」
あ〜…と二人、顔を合わせて笑う。泣きそうなくらい、この空気が懐かしい。
翔くん。胸がね、へんな音するよ。
でもね痛くないの。もう平気なの。
翔くんのおかげだよ。
「…A？」
「ん？」
「週末、荷物取りいこっか」
「うん」
「俺も、行くから」
「…うん」
「んで、ちゃんと謝って」
「…翔くん、わたしんち入れさせてもらえないかもよ？」
「あ〜…ほんとだ…ふははっ」
「ふふ………でまあ、入って」
「挨拶も、ちゃんとして」
「挨拶って、どんな？」
「どんな？って…娘さんを下さい！ってやつ？」
神妙な顔をしていう翔くんが可笑しくて、笑ってしまう。
翔くんちゃんと言えるかな。カミカミになっちゃいそうだなあ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なおたろ(プロフ) - 初めまして♪君が僕がからこちらに来ました。あちらでも更新のたびに涙目ですが、こちらはまた違った涙が！ホントに翔さんが翔さんで素敵です！Hさんのお話に会えて嬉しいです♪ (2015年2月2日 20時) (
レス) id: 8953fe45d7 (このIDを非表示/違反報告)
H(プロフ) - にのみぃさん» コメントありがとうございます。そそそんな号泣なんて、もったいないお言葉(照)是非別の作品も覗いていってやってください！ (2015年1月30日 21時) (レス) id: 4c1243328c (このIDを非表示/違反報告)
H(プロフ) - いくさん» コメントありがとうございます。翔さんかっこいいですよねええ(泣)わたしも書きながら惚れてました(泣)次の作品もよかったら見てやってください！ (2015年1月30日 21時) (レス) id: 4c1243328c (このIDを非表示/違反報告)
H(プロフ) - 咲羽さん» コメントありがとうございます。わたし自身キュンキュンしながら書いているのでとっても嬉しい感想です！別の作品でお会いできるのを期待しています。 (2015年1月30日 21時) (レス) id: 4c1243328c (このIDを非表示/違反報告)
にのみぃ(プロフ) - はじめまして!! 一気に読ませて頂きました。 胸キュンキュン!!し過ぎて痛いです!! マジでキュン死するかと思いました(笑) 気付けば号泣… こんな素敵な、好みドストライクな作品に出会えて良かったです!! これからも頑張ってください♪ (2015年1月14日 14時) (携帯から) (レス) id: 91727ded69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：H | 作成日時：2014年12月30日 20時
