オタク彼氏の彼女は辛い

アイスよりも ページ5

先日同様コンビニへ。


今日はネットプリントをしに付き添いで来ている。





｢入ってこないで。｣



『…はい？』





一緒に来といて彼女を1人屋外へ置いとくか普通。



やっと着いたと思ったらこの様。

なんかもう笑えてきます。



アイスを奢ってもらって1人で黙々と食べる。





『…かっこよ。』





外から中の様子を伺う。

なんとも言えないくらい無表情で、かっこいい。



あの顔の英っていちばん映えるんだよなぁ。



するとその美しい顔は私の方を向いて、





｢見るな。｣





と口パクで一言。





『……はい。』





窓から離れて壁に寄りかかる。


英は私が今食べているアイスよりも冷たい気がする。



付き合った当初はレイジ様がいてもちゃんと相手はしてくれたのに。





…って、冷静に考えてもう私に気持ちはないのでは？？





あぁ、だめ。今までそう言ってなんだかんだ乗り越えてきたんだ。

マイナス思考はいけないよ。



頑張るって決めたんだ！頑張らないと！





そう心に決め、顔を上げると英が隣にいた。





『おっと、英くん。』



｢どうしたの。ね、レイジ様まじ可愛い。｣





コンビニから出てきて早々にネップリを見せてくる。


神絵師が描いた絵だもん、そりゃそうだ。





｢……。｣



『…そっちこそどうしたの？』





何か言いたげにこっちをじっと見てくる英。





｢…これ。｣





差し出されたレジ袋の中には、お菓子が2つとクリアファイルが1枚。





『なに…って、え！？トモのファイル！？』





トモとは私の推しているアイドルのこと。



そっか、キャンペーンやってたんだ。

お菓子買ったら貰えるやつ。





けれど私は喜んでいるように見せかけて(ちゃんと喜んでいる)英の様子を伺う。





｢……。｣





今度は黙っているにも関わらず、

普段こんなことをしないからと言うような態度でいる。



控えめに言って超可愛い。





『あ、ありがとう英…！』





言ってから気がついたんだけど、私と英って喜び方が似ている。



こんなふとした時に改めて好きだなって思うよ。





｢…こういう時しか何もしてあげられないから。｣





そして私のこともちゃんと考えてくれてはいるらしく。





『だ…も…ありがとう…。』

(だめ(可愛すぎ)…もうムリ…ありがとう…。)





訂正、私にとって英はアイスよりも甘いです。

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