困惑 ページ22
ふと、こんな言葉が耳に入った。
｢あ、ほらあの子！｣
廊下を歩いてると、私の所属する5組の隣の教室を覗いている、クラスメイトの2人の女子が。
目線の先はシイナだった。
｢国見くんとふたりで歩いてた子！｣
シイナが、英とふたりで？
彼氏の話題に思わず聞き耳を立てる。
すると衝撃的なひとことが。
｢うっそシイナちゃん、今度はAちゃんの彼氏まで横取り！？｣
気がついたら足は動いていて、ふたりの顔が目の前に来た時、その顔は強ばった。
『シイナは、そんなことしない。』
彼氏がころころと変わるシイナは、元が可愛いながらに女子力を上げようと人一倍努力していた。
それなのにこんな根拠の無い噂が通るのが許せなかったのだ。
私は2人に声をかけた。
｢でも、ふたりでいろんなお店回ってたよ？｣
｢てっきり国見くんがシイナちゃんにプレゼント選んでるのかと思うくらい楽しそうだったよ…｣
ショックを受けるには大きすぎるその言葉に少し動揺するも、
今はそんな余裕がないから、食い気味に反論する。
『だからって、シイナはそんなことする人じゃないよ。』
それが事実だとしても。
高校で出会ってずっと仲良くしてくれてたシイナが、理由も無くそんなことするはずない。
内心はもちろん不安。
だって冷たかった彼氏が最近急に甘くなったとか…
どう考えても様子がおかしい。
心に余裕があるからかな…なんて考えたりもする。
でも、今はシイナを…親友の誤解を解くことの方が大事だ。
『目の前で見た一瞬のことを根拠の無い噂にしないで？』
築き上げてきた時間はあなた達よりは少なくとも長いから。
目の前で頑張ってきた彼女を悪く言われるのは嫌だ。
休み時間の廊下に忙しく生徒の声が響く中、
私の声が静かにこだました。
｢…いいよ、行こっ。｣
｢浮気されても知らないからね！｣
そそくさと逃げていく2人。
浮気なんて。そんなの、ありえない。
きっと。
…きっとそれはまだ
私がいちばん、気にしてはいけないこと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuiki(プロフ) - 雪見ユキバさん» うわああありがとうございます！頑張ります！！！ (2019年11月27日 17時) (
レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
雪見ユキバ(プロフ) - もう好き…大好き…更新頑張ってください…いつまでも待ってますんで… (2019年11月27日 16時) (レス) id: 29b8aaca97 (このIDを非表示/違反報告)
yuiki(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます…！更新ペースあげられるように頑張りますっ (2019年11月25日 17時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 国見氏かわえぇです…次も楽しみにしてまっす (2019年11月25日 16時) (レス) id: 755c13a381 (このIDを非表示/違反報告)
yuiki(プロフ) - 妖精さん» そう言って貰えるとすごく嬉しいです！！先の展開はまだ分からないので、是非読み続けて下さい！ (2019年11月12日 4時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yuiki | 作成日時：2019年10月27日 7時
