オタク彼氏の彼女は辛い

気持ちだけでは ページ19

いつだって気になっていた、


英は今も｢私のことが好きなのか｣という点。





ただ、長く付き合っているからそんなこともすぐに聞けるわけじゃなかった。





望みの薄い期待を何度も抱いた。





｢A。｣





私の名前を呼んでくれるだけで、


こんなにも胸が高鳴って。



嬉しくて、幸せで。



正直こんなに好きになれる人もなかなかいない、なんて客観的に自分を見る。





最近の行動が全て私のためにしてくれているのだと気づいたのは、この前の話。





｢嫌われた、とか思ってたら大間違いだから。｣





彼の言葉の裏に隠された気持ち。


私だけが好きで仕方ないって訳では無さそうだ。





『…はぁ。』





それなのにため息が出てしまうのは何故なんだろう。


これだけ素直に気持ちを伝えてくれる人になってくれた、そこに不満はひとつも抱いてない。


それなのになんで…





｢わ、レイジ様イベ来る。｣





彼がオタクだから？


だとしたらヤキモチを妬いているのかな、私は。





やっぱり、英は今日も私じゃない人を見つめてる。





悔しくて、切なくて。


でもクールだった彼がこんなにも豊かになったのも


レイジ様がいたおかげ。



どんな感情を抱いたらいいのか分からなくなっていた冬の初め。





クリスマスシーズンも近づいてきたので、


手を繋ぐより先のことをして貰えるように


本腰を入れたいと思います。

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