及川さんが毎日かまってくるんで彼氏作りました。

声 ページ16

とある月曜日の朝。





バレー部朝練のために、朝早く家を出た。

毎週月曜日はいつもそう。





学校に着くと、誰かに後ろから声をかけられた。





「新田さん、ちょっといい？」





『へ？』





声の正体は同じクラスのリーダー格、伊藤 夏海。





陰でのいじめの主犯格とも言われるこの女は、どうやら及川ファンのようで。





ドンッ





体育館の裏で壁際に押さえつけられた。





相手は５人。１人は「はさみ」をもっている。





…は？何やってんのよ…





何するの…？





はさみをもった手が私に降りてくる。





もうダメだ、と目を瞑った瞬間、





聞き覚えのある声が…





「５対１なんて卑怯じゃないですか。」





しなかった。

そこにいたのは１年生の国見くん。


バレー部の中でもあまり話さない、無気力キャラだ。←


私とは話したこともなかったから、こんな形で声を聞くとは思わなかった。





「く、国見くん。」





伊藤さんたちはその場から離れ、校舎に入っていった。





『あ、ありがとう…』





「感謝されるほどのことじゃないですよ。

むやみにあーゆーのについていっちゃダメです。」





ふふ、なんか保護者みたい。





『だって連れていかれたんだもん！

ていうか、なんでここに？』





「もう少しで期末テストだし、勉強しようと思って。」





『勉強！？偉いね！私はテスト前勉強なんかしないよ←』





あぁ、テストかぁ…

考えただけで怖いわ。←

その言葉聞いた時点で失神するわ。←





「先輩もやりません？わからないとこあるんですけど。」





『へ？あ、やりたいけど、やることまだあるし！また今度で！』





「そうですか。じゃ、またあとで。」





国見くんは相変わらずの無表情で、手を振りながら校舎に入っていった。

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