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17.青い空、青い水着。 ページ18

『ほんとに…?』



「おう、安心して出てこいよ。」





と、なにやら物陰で話し込んでいる河合とその親友である花巻。


「何してんのー?」といつもの調子で及川が乗り込んだ。


かと思えばピタリと止まって口を手で覆った。





「どうしたんですか及川さん!」





矢巾を先頭にバカでかい集団が薄暗い物陰へゾロゾロと入っていく。


そこで待っていたのは…





『や、変じゃない……!?』



「大丈夫だって。」





細身で、でも筋肉質な小麦色の肌を青い水着で隠した河合がいた。





「お、及川さん耐えられないよこれ…」



「Aさん可愛すぎます〜…」



「水着のチョイス素晴らしいですね。」





さらっと変態発言する国見に金田一が隣ではぁ、とため息をついた。





「岩泉…さっきから動かねーけどAに見惚れてた?」





おい松川…今俺に振るか…?


褒め慣れていない俺に何を求めているんだ。





「…綺麗だな…って思って。」





素直、を意識していると、無意識に言葉は口から出ていった。



その場にいた全員が黙る。





「は、なんでお前ら黙るんだ…」



「岩泉が素直なの稀じゃね?」



「僕もそう思います。」





心優しい渡までが即答する。


お前ら俺をなんだと思ってたんだ。





『み、皆も筋肉すごくてびっくりしたよ…』



「そうだぞ、なんたって男子高校生の腹筋は今しかみれないんだからな!!」





何を言いたいのかはっはっはと笑う花巻。


…俺から言わせてもらうとコイツは一番苦労してる奴だと思う。





ほら、視線はいつも1人だけを見つめてる。





「な、大丈夫だって言ったろ。」



『うん!貴大のおかげだよ〜、ありがとう!』





純粋な瞳を向けられたら、それに応えるしか無いのだから。





「よーし、それじゃ泳ぎに行こう!!」



『おー!!』


「金田一、塩キャラメルソフト。」


「海満喫してからにしよ?」





「ん?俺を見つめちゃってる?惚れた!?惚れたのか岩泉!!」





歩き出す及川たちと、物陰に残った俺と花巻。



この状況に、花巻は“勘づかれた”と思っているのだろうか。


気の利かない俺にはかけていい言葉も思い浮かばない。





「お前ほんとかっこいいな。」





だから、


アイツの得意な笑顔で花巻の気が紛れるか、なんて賭けてみたり。





花巻は間の抜けた顔をして、数秒後


そうだろ、と言って笑った。





晴れた青い空に映えてとても綺麗だった。

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yuiki(プロフ) - 紫蘇さん» ありがとうございます!男の子視点だったので感情移入しやすい作品を作りたかったので! (2020年1月12日 21時) (レス) id: ecc4c0e98e (このIDを非表示/違反報告)
紫蘇 - 泣きました、めっちゃ良かったです(T−T) (2020年1月12日 21時) (レス) id: 7a199b70b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuiki | 作成日時:2019年7月16日 10時

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