花筵＿［CS］ (ページ12)

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伊織の性格は父親からの遺伝である。
サバサバした態度もそうだが、友情や愛情を第一に考えることも父親譲りである。小学校のころ友情を優先しすぎたがために喧嘩騒動を起こしたこともあるが、父親だけは伊織を叱らず頭を撫で『よくやった』と言ったらしい。伊織はそれからあまり暴力を振るうことはなくなったが、逆に口が悪くなってしまった。伊織も家族も気にしていない。
純潔さは母親譲りである。母親は少し天然でありすぐに人を信じようとするところがあったため、それがうつったと思われる。母親は思ったことをすぐ口に出していたが褒め言葉しか言わないようにしていた。母親も陰口などが嫌いだったらしい。さらに母親は自己肯定感も高く、学生時代はお調子者で有名であった。今の伊織も自己肯定感が高めなので母親からの影響も大きかったかもしれない。

父、陽一は建築会社に勤めている。若いころは宮大工として働いていたが、数年前に妻が亡くなったことによりショックで仕事にミスが生じるようになった。
陽一はこれ以上、現場の人に迷惑をかけさせるわけにもいかないと、退職しそれに関わる会社に勤めるようになった。

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