26話 ページ28
・
死「……不思議なもんだよなぁ。
何故、ヒーローが責められてる！？」
ただ、ほんの少し対応が遅れただけ。
対応がズレていただけ。
本来ならば悪いのは世間一般からしたらヴィランであるのに、
こんなにも責められているのはヒーローばかり。
死「現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ、爆豪くんよ」
「本当、だから嫌なんだよねェ…
ヒーローってさ、自己満足じゃん。いるんじゃない？
君のクラスメイトの中にもお金目当てで目指してる奴」
爆「…」
爆豪はその問いに少し顔を歪める。
ヒーローは自己満足。確かにそうかもしれない。
ケガをしている人がいなければ、助けを求めている人がいなければ
ヒーローなんて存在できない。
必要がない。
だが、それでもヒーローに憧れてしまったんだ。
死「敗北者を励ますどころか責め立てる国民。」
「私らの戦いはね、問いなんだよ。」
死柄木とアスカは、まるでお互いが何を話すのかわかるかのように
一文ずつ言い合い、爆豪へ問いかける。
死「ヒーローとは、正義とは何か。」
「この社会が本当に正しいのか、一人ひとり考えてもらうんだ」
死「俺たちは勝つつもりだ。君も、勝つのは好きだろ？」
顔につけている手の隙間から赤い瞳がのぞく。
それに見られ爆豪は思わず怖気づく。
視線を逸らすと、見慣れた蒼い瞳も同様に見ていた。
死「荼毘、拘束外せ」
荼「は？暴れるぞ、こいつ」
死「いいんだよ。対等に扱わなきゃな。スカウトだもの。
それに、この状況で暴れて勝てるかどうか…
わからないよう男じゃないだろ？雄英生」
「勝己はイイコだからわかるよね。」
爆豪の近くまで寄って、未だ拘束されている腕に触れる。
爆「…？」
ふと、違和感を感じた爆豪だったが
すぐそばを離れたアスカに、あまり気にしないことにした。
荼「トゥワイス外せ」
トゥ「はぁ俺！？嫌だし」
荼「外せ」
トゥ「もーやだ」
「はははッ、二人の会話はいつ聞いても面白いな」
アスカとすれ違うような形で、トゥワイスが爆豪の拘束を外す。
着々と外される拘束に、爆豪は手を握ったり開いたりして感覚を確かめている。
コン「引な手段だったのは謝るよ。けどな、我々は悪事と呼ばれる行為にいそしむ
ただの暴徒じゃねえのをわかってくれ。
君を攫ったのは偶々じゃねえ」
淡々と語る敵連合。
それを目に、爆豪は手を握りしめる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
酸っぱいばなな - 更新頑張ってください！！！！！！！！ (11月10日 21時) (
レス) @page48 id: ed24fa5325 (このIDを非表示/違反報告)
トロールフェイス - 今、読み始めたばかりですけどおもろいです。更新がんばってください (11月10日 21時) (レス) @page6 id: 26234630b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鼓草 | 作成日時：2023年10月25日 18時
