××にしたい Ⅲ 【御堂筋】 (ページ23)

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。緊急停車ページ23

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「電車ぎゅうぎゅうだね」

石「す、すまん…
こんな多いとは思わんやったわ」

「桜祭りってゆうくらいだもんね」

お互い密着してる。
押しやられ角に石垣君が
追い詰められてる

石「あ、離れたら大変やから」

そう言って
私を角に誘導した

内心少女漫画であるベタな展開とか
絶対やだから壁に顔をついて
展開を回避する

幾分マシになるが
尚も増えていく人

壁に顔を付ける形になり
電車が揺れる度に
おでこを打つ

石「嫌かもしれんけど」

私のおでこを石垣君の手が包む

「えっ！私の汗とか着いちゃうし汚いよ！」

上を向いて石垣君に訴えれば

石「汚くないで？可愛い顔が傷つく方が嫌や」

サラッと言う石垣君……

顔が赤くなるのが自分でも分かる
背中には石垣君の体温

「で、でも石垣君の手が痛くなる」

もう、意識し過ぎだろってくらい
顔が熱くて仕方ない

顔色を見れば

石「俺は全然やで、
むしろAに触れれて嬉しいわ…」

少しだけ頬を赤らめながら
優しく微笑む石垣君から

目が離せかなかった

反則だ。そんな発言も表情も

顔を今すぐ壁に付けて冷やしたい

なんて言えばいいかなんて分かんなくて

10分が長く感じる

ｷｷｷｨーーー!!

一気に重力を感じ
壁に思いっきり顔を打つ

痛くはない……
石垣君の手が守ってくれた

さっきよりも密着され、
片腕は私の横にある

石「ッ……す、すまん」

耳元で聞こえた声

「あ、石垣君……手大丈夫!?」

不安で顔をみたいが、
石垣君が、私を包んでる

足元を見れば
石垣君の足が誰かに踏まれたようで
サラリーマンが謝っていた

「ご、ごめんなぁ！？」

石「あ、大丈夫です。気にせんといてください」

石垣君は急ブレーキで咄嗟に
私を庇ったので
一瞬ここにいる人の体重がかかっただろう

「……大丈夫？ご、ごめんね……」

石「大丈夫やで、何処も痛くないか？」

「私は平気！石垣君手は？足とか……」

石「重かっただけやわ
ヒールとかやったら痛かったやろうな」

少し声に余裕がありそうで安心した。

ーーー急停止失礼しました。
線路の上に物が落ちてた為、
お時間頂きます。

緊急停止の為、列車5分遅れます。

アナウンスが流れる

みんな建て直したのか
先程より空間に余裕ができた。

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