暗闇をもがく【手下】 (ページ4)

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適正な距離感ページ4

「さて、こちら側の自己紹介はひとしきり終わったので、モーレイさん、自己紹介をお願いします！」

　広間に入って行われたのは、まず自己紹介だった。去年の話は何となく聞いていたから、名前を覚えるのはそこまで苦ではなさそうだ。

「モーレイ。マスターはジェットサムフロットサム。情報収集は、割りと得意かな。あんまり魔力が足りてないらしいけど、よろしく」
「一応こいつの目はアースラ様んとこに繋がってっから、それだけ気を付けろよ」

　それ初耳、と言いながら、モーレイはエイトフットの腕に自分の腕を絡める。

「え、いきなりそういう関係？」
「やるじゃない！」
「ちげぇよ！手を出したら殺されるの俺だぞ！」

　盛り上がるジャックハートとスカーを尻目に、モーレイはこそこそと移動してマルフィとアップルポイズンのもとへ。

「お兄さんたちは背が高いんだね」
「ウェルウェル……。あなたは手下のなかでもかなり小柄な部類じゃないかな？」
「そうかもね。まだ若い人魚の死体だからね」

　まさしく少女のようなテンションで、二人の周りをくるくると回るようにして会話を進めていく。
　それも飽きたらヴェールやハーデスのもとへ、というのを繰り返し、一応ではあるものの全員との関わりができた。

　