暗闇をもがく【手下】 (ページ3)

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二人のマスター事情ページ3

「変なものが一杯あったね」

　甲冑や銅像、石像、絵画……。深海で見たことがあるものもある分にはあるが、やはり人間の世界には見慣れないものが多い。

「アリエルの気持ちが、少しだけ、分かったかもね」

　憎いかと聞かれれば、憎いと即答するだろう。
　だが、人間は自分たちの世界にはないものをもっていて、自分たちと全く違う生活をしているのかと思うと、興味がわいてくるのも、何処か分かってしまうような気がした。

「間違っても、目的は見失うなよ」
「分かってるよ。手下を増やして、『次』は、ちゃんと生き残らないとね」
「……」

　エイトフットがなんとも言えない表情で黙ってしまい、気まずい静寂が広がる。幸い広間がもうすぐそこで、近付くにつれ扉から明るい話し声が漏れ聞こえてくる。

「ここだ」

　扉を開けようとするエイトフットに、彼女はとっさに手首を掴む。なんだよ、と視線を向ける彼に、モーレイは目をさ迷わせてから口を開く。

「ねえ、ジョー。僕はさっき、何か不味いことを言った？」
「なんでもねーよ。入るぞ」

　軽く手を振り払うようにエイトフットは扉を開ける。そこには、彼女たち以外のリクルーターたちが勢ぞろいしていて、司会者四人もそこにいた。

「あ、来たね！」