暗闇をもがく【手下】 (ページ1)

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ホテルハイタワーにてページ1

目が覚めると見慣れない天井。かぎ慣れない匂い。

「目ぇ覚めたか」

　自分が居るベットの横に座る銀髪の青年に、緑髪の少女は怪訝な目を向ける。

「誰……？」
「誰って、ジョーだよ。エイトフットジョー。寝ぼけてんのか？」
「ジョー……？ジョー、足の数が……、増えてる？」

　彼女は首をかしげて服についている足の数を数え始める。やっぱり多い……、と彼女が言えば、エイトフットは頭を抱えて盛大に溜息をつく。

「顔が違う」
「顔が違う、じゃねーよ。今年はお前も呼び出されたんだろうが、リクルーターとして！」

　『リクルーター』という言葉を聞いて、緑髪の彼女は、あ！と声を上げる。

「エイトフットが去年やってたやつに、お呼ばれしてたんだっけ」
「やっぱり魔力足りてねーんじゃねぇか？だから反対だったってのに……」

　彼女のマスターはジェットサム、フロットサムだ。彼女の元の姿は鱗で、人魚の体を魔法で変えることで人体を得ている。

「大丈夫だよ、何てたって『残忍な魚』と呼ばれるウツボだからね」
「人間の体になったらそこは関係ないだろ」

　そう？と返す彼女に、エイトフットはまた溜息をついた。