財団のあの子 (ページ5)

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#03 ページ5

『あのっ、セス様、さっき…』

「んー、？どうしたの？」

『その…「あ、A、服着替えようか」

『はい』

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連れてこられたのは衣裳室。

神聖な場所だから、白っぽい服が多い。

「これ、着てくれない？？？」

『可愛い…！』

生まれて初めてこんなに可愛い服を見た。

白いクラシックなワンピース。

フリフリのスカートが素敵だった。

『似合いますかね、』

「あぁっ！！！可愛いっ！！！A、凄く似合ってるよ」

嬉しくて笑った。

久しぶりに本心から笑った。

「んー、そしたら…散歩しに行こうよ！」

『散歩？』

「そう！ついでにある人にAを紹介したくてね」

『…？』

言われるがまま私は馬車に乗った。

「んー、そろそろかなぁー」

「あっきたきたぁ〜」

目線の先には赤髪の青年。

なんだか、凄く見惚れてしまう。

「何故財団がここにいる。その少女はなんだ」

向けられたのは憎悪の目。

少し怖くてセス様の後ろに隠れた。

「嫌だなぁ。君に紹介しようと思ってね」

「ほら、自己紹介して」

『えっと、A・ブラッディです、好きなものはお花…』

「ブラッディ…だと。まさか、あの貴族の末裔か」

『貴族？』

「おい、商会に連れてくからこっちに来い」

『えっ、』

「ちょっとぉー、やめてよ、Aは僕のものだ」

「知らない。行くぞ」

どうすれば良いのか。

こんな綺麗な人たちに奪い合いをされるなんて、。

「…危害は加えるな。だが…そいつは俺が必ず回収する」

「ふふっ、それはどうかなぁ」

「…次に会ったら、抹i殺する。覚悟してろ、ブラッディ」

『そんな…』

知らないうちに涙が溢れた。

怖かった。

美人が怒ると怖いってほんとなんだなぁって…。

「まぁ〜た泣いてる」

「…ごめんね、帰ろうか」

この時、私はセス様が笑っていることは知らなかった。

マスクに隠れた歪んだ笑顔も。