知らない感情 ページ10
あや「昨日さー…」
バロとサンドゥルと別れ
教室に入ってすぐ、あやが話し始める。
あや「シヌさん、彼女いるんだってー」
ショックー、なんて言うあや。
シヌさんに彼女がいるということはあやとは
結ばれないということ。
でもそれは、バロにチャンスがある
ということ。
そう思うとまた、胸が痛い。
どうしたのだろう…
知らない感情に戸惑うばかり。
すると、
あや「ちょ、聞いてる?」
あやが私の顔を覗き込む。
「ぇ、…あ。うん」
あや「もー、A聞いてなかったでしょ?」
ちゃんと聞きなさいよー、って言うあや。
いつもなら聞いてるよ、なんて言って笑い合うんだろうけど。
今日は黙りこくってしまう。
あや「…Aー?」
いつもと様子が違うことを察したのか
心配そうに声をかけてくる。
あや「大丈夫ー?」
そう聞かれ、
「うん。大丈夫だよ」
って答える。
でも、
あや「絶対嘘ー。見たらわかるんだから」
話してみな?って優しく微笑みかけるあや。
やっぱり、お見通しなんだね?
話すか迷っていたら
あや「ゆっくりでいいんだよ?」
って言う。
私は思い切って言おうとした、時。
キーンコーンカーンコーン
なんて、虚しくチャイムが鳴る。
あや「放課後、うちにおいで?」
ゆっくり話そう、って言ってくれた。
私はただ、
「ありがとう」
と言った。
移動教室の時や窓越しからバロが見えるたび
何故かドキドキする。
熱…?
そんなわけ、ないよね。
そして、昼休み。
あやと食堂に向かう途中に。
br「よっ」
って後ろから現れて。
私の頭をポンっとするから。
身体中が、熱い。
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作者名：ちゃな。 | 作成日時：2014年2月16日 20時
