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阿部side



「ポワルン!森林より高い位置まで浮かび上がって!」

ポ〈ポワッ!〉

俺の指示にこれまた力強く頷き、素早く浮かび上がる。
ポワルンが止まったのを確認し、深呼吸する。

「ポワルンッ!君の力を試す時だ!雨乞い!」

ポ〈ポワッ!ポワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!〉

そう指示すると、ポワルンは体を光らせて雲を呼んだ。
黒い雲が渦を巻くように現れ、一帯の空を埋め尽くす。
その瞬間、雨が森林を濡らしていく。
それはまるでバケツをひっくり返したかのような雨だ。
雨が降ることを予知していなかったトレーナーたちは一目散に駆けていった。

「よし、鎮火した!」

目の前に視線を戻すと、そこには鎮火した森林地帯の姿。
火で焦げて黒くなってはいるものの、燃え広がらずに済んだようだ。

「ポワルン、ありがとう!もう戻っていいよ!」

ポ〈ポ〜ワ〜!〉

俺の頭の位置ほどの高さまで降りてきたポワルンが頬を膨らます。
特性「天気屋」の効果で雨水の姿に変わっている。

「なんでそんな頬膨らませてるの?」

笑いながら言えば、擦り寄ってくるポワルン。
膨らませている頬をつんつん啄くと、尚更グリグリと頬に擦り寄ってくる。
体は小さいけれど、彼は結構力が強い。
さすがに痛くて、軽く頭を叩いた。

「こら、ポワルン!痛いだろうっ!」

ポ〈ポワワワワワ〉

逃げるポワルンをひたすら追いかける。
俺に怒られているにも関わらず、いたずらっ子のように笑っていた。
どうしてか今のポワルンが佐久間に見えてくる・・・。

暫くしてようやく天気が戻った。
すると、シュルシュルと音を立ててポワルンはいつもの姿に戻った。
それからもポワルンは時折俺の方を見ながら、くすくす笑っている。
いつもなら絶対にしない追いかけっこ。
たまにはいいかも、とは思いつつ、意外と素早いポワルンを追いかける。
ポワルンとはいつまでもこんな関係でいれたらいいなぁ。
この後に起こる恐怖を知らないで・・・。

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midori(プロフ) - セーラーローズさん» うん!なんかあっという間って感じ?(^_^;)ありがとう!またよろしくね! (2020年4月19日 19時) (レス) id: 0882dfba3d (このIDを非表示/違反報告)
セーラーローズ(プロフ) - ばばっとさん» お疲れ様です。阿部ちゃんのジムの留守番の回が書き終わりましたら、またリクエストしますね(^-^)! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 1a91ea82b6 (このIDを非表示/違反報告)
セーラーローズ(プロフ) - midoriさん» もう、いっぱいになっちゃったんだね(^_^;)。長いようで短いね。阿部ちゃんのジムの留守番の回が書き終わったら、その内またリクエストするね(^-^)! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 1a91ea82b6 (このIDを非表示/違反報告)
ばばっと(プロフ) - セーラーローズさん» あぁりがとうございます!感動ものって苦手だったので苦戦しましたが、良かったです(*^^*) (2020年4月18日 0時) (レス) id: 8c5ef1e166 (このIDを非表示/違反報告)
ばばっと(プロフ) - midoriさん» とんでもない!むしろ、こちらこそありがとう!リクエストだってことすっかり忘れてた(^_^;)← (2020年4月18日 0時) (レス) id: 8c5ef1e166 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:midori&ばばっと x他1人 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/item/03midori25/1558961726  
作成日時:2019年10月2日 21時

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