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渡辺side
『…渡辺』
「………………………………」
我に返ると、そこは千賀くんの部屋。
目の前には腕を組み仁王立ちして厳しい顔つきをする千賀くんがいた。
ジムトレーナーとして、その前に人としてあるまじき行為。
それはチャレンジャーに手を出すこと。
いくら腹が立ったとはいえ、人を殴るのは人としてどうかしている。
分かってはいた、けれど許せなかった。
あの強いアローラロコンが"使えない"と、捨てるトレーナーに。
『気持ちは分かる。彼の言葉は1人のトレーナーとして許されない発言だ。俺だってジムリーダーとして、その前にトレーナーとしてあの言葉は許せなかった。だからといえど、渡辺。殴るのは良くない。人に手を出すのは"負け"を認めたのと同じようなもんだ』
「…すみませんでした」
あまりの悔しさに下唇を噛む。
正座した太腿の上に乗せた拳はわなわなと震えている。
千賀くんの話によれば、彼の懐には刃物が隠されていたらしく、あのままにしていればロコンは狙われ酷い目に遭っていたかもしれなかった、とのことだった。
止めた、とは言えないが俺があのトレーナーを殴打していなかったら、ロコンの命は危なかったのだ。
『人に手を出したことには腹立たしいけど、ロコンを救ったんだ。それだけは感謝してる』
──ありがとう、渡辺。その言葉に俺はついにその場に泣き崩れた。手を出してしまった罪悪感、ロコンが無事だと知った安心感。
その全てが涙腺を崩壊させた要因となった。
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midori(プロフ) - セーラーローズさん» うん!なんかあっという間って感じ?(^_^;)ありがとう!またよろしくね! (2020年4月19日 19時) (レス) id: 0882dfba3d (このIDを非表示/違反報告)
セーラーローズ(プロフ) - ばばっとさん» お疲れ様です。阿部ちゃんのジムの留守番の回が書き終わりましたら、またリクエストしますね(^-^)! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 1a91ea82b6 (このIDを非表示/違反報告)
セーラーローズ(プロフ) - midoriさん» もう、いっぱいになっちゃったんだね(^_^;)。長いようで短いね。阿部ちゃんのジムの留守番の回が書き終わったら、その内またリクエストするね(^-^)! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 1a91ea82b6 (このIDを非表示/違反報告)
ばばっと(プロフ) - セーラーローズさん» あぁりがとうございます!感動ものって苦手だったので苦戦しましたが、良かったです(*^^*) (2020年4月18日 0時) (レス) id: 8c5ef1e166 (このIDを非表示/違反報告)
ばばっと(プロフ) - midoriさん» とんでもない!むしろ、こちらこそありがとう!リクエストだってことすっかり忘れてた(^_^;)← (2020年4月18日 0時) (レス) id: 8c5ef1e166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:midori&ばばっと x他1人 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/item/03midori25/1558961726
作成日時:2019年10月2日 21時