ようこそ！カランコエ地方へ！ (番外編) 1

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宮舘side



梶〈先に先制させてもらうわ！チコリータ、鶴のムチ！〉

チコリータ〈チコッ！〉

首の棘部分を鶴の姿に変えて、2本で襲いかかる。
俺に似て行動が時に優雅になるミニリュウは、華麗に舞って躱した。
一方、翔太のユキワラシは慌てたように走って躱す。
チコリータの鶴のムチは不発に終わり、地面にバチンバチン、叩くような音が響く。

『ユキワラシ！氷の礫！』

ユキワラシ〈ワッシ！〉

ヒュオオオオ、と吹雪にも似たような音を立てながら、小さな粒が集合して相手に襲いかかる。
当たる･･･、そう確信したにも関わらず相手チームも中々の腕前。
突然、後ろに控えていたはずのニャースが鋭利な爪を伸ばして高速で引っ掻いた。
彼の乱れ引っ掻きで氷の礫は粉々に砕け散る。

『えっ？嘘だろっ！？』

予想外のディフェンスに驚く翔太。
空いた口が塞がらないようだ。

峰〈甘く見て貰っちゃ困るぜ！ニャース、ジャンプだ！〉

ニャース〈ニャイッ！〉

猛スピードで走り、助走をつけたニャースは飛び上がる。
ほぼ真上を陣取るニャースに背後から何かが伸びてきた。
視線を追えば、チコリータの首元から伸びる鶴だった。
彼女の鶴がニャースの腕に巻き付き、更に真上に登っていく。

峰〈ニャース！ユキワラシに猫騙し！〉

ぐん、と勢いよく降りていき、鶴のムチから解放されたかと思えばユキワラシの目の前まで落ちてきて手を叩く準備をする。
パチンッ！と破裂音と共に何故かその場が爆発して土煙が起きた。

少しして煙が消えた後、ニャースがいたであろう場所を見ると、これまた不発に終わっていた。
何故かと言うと、ユキワラシが影分身でニャースの猫騙しを躱していたから。

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