二百 last. ページ50
家族を失い。
大事な友を失い。
本当の母を失い。
兄を失った。
全てに絶望して、もういいかなって何度も思った。
けどその度に光をくれた貴方たちと私は今日も刀を握る。
大きな世界の中で私達のしてることなんてちっぽけなことなのかもしれないけれど、
「A、粛清だ」
『…眠いから今日休んでいい?』
「何寝言言ってんだ、とっとと準備しやがれ」
『この鬼副長』
「うっせェ、クソガキ。肩書き剥奪すんぞ」
代わり映えのない日常ではあるけれど貴方が一緒に居てくれるのならこの世界は輝いて見える。
「…気抜くなよ」
『死んだらごめん』
「ヘマしても守ってやっから安心しろ」
『…その言葉そのまま返してあげる』
ちっぽけな世界にも、希望はある。
生きてて幸せだと思える環境がある。
そんな世界の片隅で、今日も生きる。
「A」
『ん?』
「明日の非番、出かけっからあけとけ」
『…ふふ、了解』
少し不器用な、貴方とともに。
____ この世界の片隅に END.
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月26日 11時