百七十五 ページ25
昨日は旦那達とお妙さんがうちに来てクリスマスパーティーをした。
途中お登勢さんやたまちゃん、キャサリンさんも来て久しぶりにあんな騒いだ気がする。
楽しかったなぁ、と瞳を開ければ目の前に姿見。
そこに映るのは白無垢に身を包みいつもより派手な化粧をした…
「なんで僕なんですかァァァァア‼!」
私、ではなく新八くんの姿。
彼はギャアギャアと騒ぐがこれには理由がある。
ただその理由を新八くんは知らない、だからこの状況なのである。
「新八すごく似合って…ブッフォ‼」
「神楽っ…グフ、そんな笑って…アハハハッ‼」
「あんたら抑える気ないだろォォォオ!!!」
二人は馬鹿みたいに大笑いしているのだが当の本人は私を見て睨みを効かせる。よしよしと頭を撫でてやれば、ほのかに赤みが増した。
全く、童●はこれだから…。
「それ関係ねーだろォ!?なんなの、アンタのせいで俺こんな格好なんだよ?そろそろ状況説明しろやァァァア!!!」
『あー、煩い。その格好のままだよ』
「は?格好のまま?」
「新八がAの代わりをやるってことネ」
「いや無理があるでしょ‼こんなのすぐバレますって‼」
「こうしてみろ、バレない」
そう言って旦那は黒の塊を引っ掴んで新八くんの頭にかぶせる。そしてベールを雑に乗せれば顔が見えぬように前へとそれを垂らす。
白無垢にベールっておかしい?
そりゃ私も思ってるけど、神無月のジジイがベール取るのやりたいんだって。意味わかんないよね、いい歳したおっさんが何言ってんのって。なら最初からウェディングドレスにしたらいいのにって。…ま、今何言っても変わんないんだけど。
髪とベールを旦那なりに綺麗に整えれば下向け、と言う。それに従うように下を向く新八くん。
「身長はちと高ェが、少し長めにした白無垢の裾に隠せばっ…と」
「『…おお』」
私に見えなくも…ない。
新八くんも鏡を見て吃驚している。
これなら行けなくもない、と笑えば旦那がニヤリと頬を緩める。
その時、コンコンと部屋を叩く音が響き私たちは固まった。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月26日 11時