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「彼プライド高そうだから彼より好成績を残すわけにはいかないわね。……それならニトロの分泌の量を減らして爆発の威力を抑えめにしておくのが良さそうね。」
爆豪の個性を使う時の所作や実際にボールを投げる時の動きは先程見ていた。彼は爆発の時に生じる爆風にボールを乗せ、飛距離を伸ばしているのだろう。彼の最大限かはわからないが、それより威力を抑えておけば記録ははるかに落ちるはず。
「次、物間、枠の中へ入れ。ボール投げは2回、よかった成績を反映する。」
相澤の指示通り円の中へと入る。彼の記録は幾つだったけ。まぁとにかくフルの力で投げなければ彼の記録を越すことはないだろう。
「うん、こんなものかしら。」
ピピピと表示されたのは550m。悪くない成績だ。彼のプライドを傷付けず尚且つ目立ちていない。2回目は480mと良くも悪くもない距離だろう。
「……まぁいいだろう。」
相澤はどこか納得が言っていない表情だったが、深くは追求してこなかった。面倒だと思ったのか、ここでわたしに突っかかるのは非効率的だと考えたのか。どちらにせよその表情には気がつかないふりをして次の競技が始まるのに備えた。
「次、緑谷。」
相澤に名前を呼ばれた緑谷は他のみんなと同じように円の中にはいる。ここまで緑谷は好成績らしい成績を収めることができていない。力を使うなら今しかない。そう心に決めた緑谷は個性を使用するつもりで腕を大きく振りかぶった。できるなら物間さんより遠く叶うならかっちゃんより遠く。そんな思い虚しく、緑谷が投げたボールはたった46m先に落下した。とても個性を使っている距離とは言えない。何より腕の痛みが全くないのだ。
「たった今お前の個性を消した。見たところ個性の制御ができないんだろ。また行動不能になったら誰かに助けてもらうつもりか？」
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作者名：まお | 作成日時：2022年11月27日 11時
