【wrwrd!】先輩、どうしたんすか【shp】

第38話 ページ38

あっという間に夏休みが終わり、二学期に入った。


「はあ……」
「ため息なんかついてどうしたん」


3年合同での体育祭の練習中。ぼーっとしている私に兄さんが声をかけた。


「たまに部活覗いても元気無いし、なんかあったん？」
「…んー、なんていうんやろうなぁ……」




失恋しちゃった、みたいな。

兄さんは困ったように眉を下げる。



「好きな人がいるんだって。ドラマや漫画だと、大体結ばれてハッピーエンドになるやん。
……両想いなんて奇跡なんやなって思い知らされた」

「………そっか」
「兄さんは1個上の彼女とまだ続いとるんやろ？」
「まあね、可愛いよ」
「いいなぁ。羨ましいよ」



奇跡、起こせんかなぁ。
どうしようもないことを願ってしまう。

2年生のいる校舎を見る。窓際の女子生徒が欠伸をしていた。ショッピくん今何してるんやろ。真面目に授業受けてんのかな。
好きな人のこと、考えてんのかな。私みたいに。

更に気分が落ち込み、さっきよりも深いため息が出た。



「すれ違ってんなぁ」
「…何が？」
「いや、なんもない」


頑張れよ、と手をヒラヒラさせて去っていく。くそ、彼女持ちは随分と余裕だな。その幸せオーラ私にも寄越せ。




「……何をどう頑張ればいいんやろ」






好きになるってこんなにも、苦しい。

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