第47話 ページ47
「イチゴパフェがいいかなぁ…。でもチョコも抹茶も捨てがたい…………」
「なんでもいいんではよ決めてください」
「ちょっ、待って！すぐ決めるから！」
すぐさま呼び出しボタンを押そうとしてたので取り上げた。諦めて頬杖をついて私を待ってくれる。視線が痛いし緊張するからやめてほしい。
「はい、あーん」
「あーん、…んー！おいし〜！！」
近くにいたカップルの甘い会話が聞こえてきた。ショッピくんはじーっとそちらを見ている。眉毛が見え隠れする茶色の前髪が空調に当たって微かに揺れた。
「…俺チョコ頼むんで、先輩はイチゴ頼んでください」
「へ？」
「わけっこ、しましょうよ」
いたずらっ子みたいに笑うショッピくん。
「…え゛っ！！？」
「うるさ」
「だだ、だだだだって…！！」
カップルに何感化されとんねんこいつ！！
いつの間にか呼び出しボタンを押して店員さんに注文を通された。手際が良すぎる。
「…そういう事は好きな子とやればいいやん」
「なら練習に付き合ってください。可愛い後輩が言うてるんですから」
「ふてぶてしい後輩の間違いでは！？」
そうこうしている内にイチゴパフェとチョコパフェが運ばれてきた。待って待って、展開早いって！！
ショッピくんはスプーンで1口掬って私の目の前に出す。楽しそうに。
「ほら、あーんしてください」
恥ずかしさと緊張で体がボッと熱くなる。余裕そうにスプーンを動かすショッピくんが小憎たらしい。なんでそんな平気そうなんだよ。
「ほ、ほんとにやるの！？」
「何、食べないんすか」
「いや食べるけど！」
ええい！こうなりゃやけくそじゃ！！意を決して口を開けた。生クリームとイチゴのアイスが口の中に広がる。
「美味しいですか？」
「…………うん」
味なんて分かるわけないやん。恥ずかしくて顔を上げられなくなる。
「…顔真っ赤やん」
「見んなや！！」
私の照れる様子を見て楽しそうに笑うショッピくん。こっちは心臓が壊れそうな思いでやってるのに。
練習って言われたけど、ショッピくんとこういう事ができて、浮いてしまうくらい嬉しい。でも本番は違う子なのかな。そう思うと酷く胸が傷んだ。
……ううん、考えるのはやめよう。今はこの幸せに浸っていたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美咲(プロフ) - ストラップが…危ない気がする…（恐怖）めちゃくちゃ更新楽しみにしてます、頑張ってくださいね！ (2019年7月21日 6時) (
レス) id: 4d00598472 (このIDを非表示/違反報告)
弥生 - さとみちゃんがいい人であってくれる事を願う…！！更新頑張ってください！ (2019年7月7日 3時) (レス) id: b3ed6b5db4 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア^ - ショッピぃぃいいぃぃいいぃくぅううぅうんんん！尊い作者神です。更新頑張ってください!! (2019年7月1日 19時) (レス) id: ac98886272 (このIDを非表示/違反報告)
かげしゃむ - ぎゃぁぁぁぁぁショッピくんが可愛すぎる...。めっちゃ好きです！！更新頑張ってください応援してます！！ (2019年6月28日 20時) (レス) id: 041bbe8fcb (このIDを非表示/違反報告)
マンホール異邦人(プロフ) - AKさん» ご指摘ありがとうございます。確認しましたが、確かに少し分かりにくいので先程本編を少し変更致しました。今後も不明な点が見つかればご指摘頂ければ幸いでございます。 (2019年6月25日 19時) (レス) id: f6e839ac95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マンホール異邦人 | 作成日時：2019年6月15日 12時
