ページ ページ32
『でもなんか変なんだよね､マイキーとタケミチ君｡
思い詰めた顔で不良をやらないといけない理由があるって､
あまりの緊張感に私､何も声をかけられなかったの｡
極めつけには､危ないから特攻服着てる時は近づくなって
…泣きそうな顔で頼み込んできてさ』
一度 私に何か伝えようとしたのか口を開いたものの
すぐにハッとなって「そっか」と
一虎さんは微笑むだけだった｡
『あの2人が決めたことなら私は反対しないし､
きっと何かどうしても変え難い理由なんだと思うの｡
でもそんなこと言うくせに
私に強くなれって柔道教えてるのに拍車がかかってるのは
私の身を案じる気持ちの現れなんだなって』
「うわぁー､改めてそれ聞くと歪んでるし
それに…」
『???』
「あーいや､なんでもねーや」
やっぱり､何か言いたげな一虎さん
私はこれっぽっちも一虎さんの真意を汲み取ることも出来ず
苦笑いを浮かべる
涼やかな２枚目顔をぼんやりと眺めるだけだった｡
「でもほんと､大事にされてんだなAちゃん」
『かなり鬱陶しいんだけどね!』
「ははっ､それにしても千咒おせぇな｡ もう5限終わるぞ?」
『……え!?!? 授業中なの!? 今!!』
「逆にこんだけ人の気配無ぇのによく気づかなかったな」
ごもっとも｡
『というか､ほんとに状況読み込めないんだけど!! 説明してくださいよ!!』
「んー､Aちゃんが俺の膝でお昼寝したいから
膝枕して♡ってお願いされて…」
『う､嘘でしょ! そんな記憶ないですもん!』
「流石に騙されないかぁ
いや､ 俺が屋上にサボりに来た時には
すでにAちゃんは横たわってて
千咒が血相変えて男どものトコ突っ込んで行って､それで…」
カシャ､カシャ…カシャ
「『えっ』」
「何やってんだ､一虎｡
Aから離れろ｡
マイキーと場地とハル兄に送りつけたからな､セクハラだって」
「え､ちょっと､誤解…」
『千咒! どこ行ってたの!』
「ちょっと聞き分けのない先輩達と話し合い｡ 拳でな」
『えっ…ちょっと! 学校であんまり変に暴れないで!』
平穏がまた遠退く…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
graybear(プロフ) - キクラゲさん» キクラゲさん､小説楽しんでもらえて嬉しいです! そう､厄介なほどに面倒みてくれますw! 優しいお言葉…ありがとうございます!! 頑張ります๑•̀֊•́)و (5月15日 20時) (
レス) @page18 id: 404779e45b (このIDを非表示/違反報告)
キクラゲ(プロフ) - ヤバイ、面白い！ 皆面倒見がいいですねw！ ゆっくりでいいので更新頑張ってください！ (5月15日 18時) (レス) @page18 id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：graybear | 作成日時：2023年4月29日 20時
