黒歴史とは関わりたくない3【松野千冬】

94話 ページ7

【余談】

Aside


〈数日前〉


裕「あんた…千堂君と何かあったでしょ」



『ひょっ…んな事ないけド』



裕「いや､無理あるっしょそのキョドリ方は」



『なんでバレたの?』



裕「お互いの挙動を動画撮ってあげよっか?

二人して物陰や人影に隠れて､
すれ違ったらやり過ごした〜って顔で一息つくんだもん｡


なんかないわけがない!!!」



『うぅ…裕姫〜 助けてぇ』



ーーーーー



ここまでの経緯(いきさつ)を話した



裕「それどう考えても嫉妬じゃん」



『私に? なんで?』



裕「好きだから」



『え』



裕「あ､女としてね?」



『ええ!!』



裕「もう､Aにはストレートに言うのが一番だから言うけど

どうせあんたのことだから友達としてとか思ったでしょ?」



『ええ､そうだけど…』



裕「んなわけあるかい! 」



『だからなんで裕姫にわかるの…』



裕「甘いわ､何年あんたの隣にいると思ってんの?

Aの恋愛経験値の低さくらいわかるわ」



『じゃあ､私はなんて答えればいいのよ』



裕「いいじゃん､嫌いじゃないなら付き合っちゃいなよ」



おおぉう…



『あんたはホント何でそんな行動派なのよ｡

というか､急に雑になるよね…こういう話しすると』



裕「雑なんかじゃないわよ｡

私はただ可能性を捨てるのがもったいないし


今を楽しむ事が自分の信念だからよ」



『可能性を捨てる…今を楽しむ信念､ね』



裕「確かにさぁ､振ったり振られたり､相手の気持ちのこと考えて疲れたりとか､

その人の事だけを想い続けるってムズイしわけわかんないし
やめたいって思うことも多いけどさ


相手のことが一瞬でもいいなって思たら､信じてあげたい
笑顔になってほしいって思うのよ｡


一緒にいる時 そう思ってて良かったって瞬間があるの
“この人のこと好きになって良かった“って心底 幸せな気持ちになれるとき｡


そういうの､案外 悪くないものだよ?」

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