黒歴史とは関わりたくない3【松野千冬】

112話 ページ25

敦「先越したみたいで悪いけど､俺は本気だから

それを千冬にも言いたくて呼んだんだわ」



千「ん? え､待ってアッくん…やっぱ勘違いしてる」



敦「何も勘違いしてねぇよ」



千「いやそれも言いたい事の一つで…俺､日比谷のこと全然 狙ってるとかないから」



敦「…それ本気(マジ)で言ってんの?」



千「大本気(マジ)」



敦「いや､そうか…?」



千「なんで疑問系なんだよ…アッくんならわかるだろ?

俺も日比谷もお互顔顰めて接してるのよく見てんじゃん」



敦「俺からみたら､千冬(おまえ)の表情変わったよ｡


Aちゃんと文化祭で屋上居る時 心底楽しそうに笑ってたし

俺とAちゃんがギクシャクしてる時 Aちゃんの方ばっかずっと見て声かけたそうにしてたし


さっきだって､俺が“キスした”って言ったら顔硬らせてちょっと傷ついた顔してたぞ?
かと思ったら､俺が頬にしたって言った途端に肩の力抜けてたし」



千「う そ だ」



敦「こんなこと､うそ言ったって俺にメリットになんないじゃん」



千「そ ん な こ と は な い」



敦「自覚してなくても､事実は変わんねぇよ｡

ま､このまま知らないフリしてくれてる方が都合いいけどさ､
俺はお前のことずっと警戒していくぜ?

俺の手助けとかはもうしなくていいから､そこは覚悟しておけな」



千「…俺は」



敦「いつでも恋敵になってやるから､いいかげん目ぇ反らすなよ､千冬｡
恋するって､案外 綺麗事じゃねぇんだわ」



千「…わかんねぇよ､んなこと」



敦「難しいよな､人を好きになるって」



俺は…

少女漫画みたいな恋をちょっと夢見てた俺には

言葉とは裏腹に

最近､居心地の悪い心臓の動きに
見て見ぬふりができなくなりそうで


千「あぁ」


ほとほと碌でもねぇ日になるな

クリスマスって

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