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106話 ページ19

アッくんside


それは入学して間もない頃


敦「めんどくせ…ん?」


昼休み


授業中に居眠りこいてたら

先公に教材の片付けを押しつけられた



普段はあまり行くことのない教科の準備室まで行った帰り



敦「誰かいんのか?」



校舎の端の方ってこともあって

非常階段があるが、絶対に開いてないところが開けっぱなし


しかも、声がする


気になって扉を少し開けて様子を見ると



『いい加減にしな』



女子が女子を背に

一人の柄の悪そうな男子を睨んでいた



『懲りないね? この子が嫌がってるってわかんないわけ?』



「うるさい! 俺らは付き合ってんだ

他人が邪魔すんな!!」


…これ修羅場ってやつ


『他人じゃない、同中の友達。

友達困らせている奴がいるんなら、落とし前つけるのが流儀でさ』



「テメェみたいなひょろっちい女に何ができるって…っ!」



なんか、やばい雰囲気になってきたから

とりあえず両方止めに入ろうとした



つぎの瞬間



『何って、背負い投げですが?』



うわ


え…



体格差かなりあるのに、女子の方が男子を投げ飛ばしたぞ?

背負い投げ??

俺でもできる気がしないんだが?



『ま、言っても合気道だから

君が力んだ分テコの原理でフッ飛んだ
自ら飛んでったのと同じようなもの…

女を大事にしない天罰が下ったんだと思えば良いよ

おばかさん』



『もうこの子に近寄んな、だからどっか行って?』と整った顔で笑うと

男子は小さく悲鳴をあげて一目散に逃げていった


不敵に笑うその横顔に少し痺れるような感覚がした


「もう大丈夫、でも 恋愛は悪い男か良い男か見分ける力が必要らしい、どっかの誰かが言ってた。

だから今度は覚悟を持って好きな人を見極めてあげなね?」


擦り寄るか弱い女子を慰める、優しい笑顔と芯の通った心意気


『……あ』


やべ、流石に見すぎた


『…シー』


「う、」



俺と交わった視線を外すことなく、泣きじゃくる女子を慰める傍ら片手間に人差し指を口に付け


見なかったことにして?
と言わんばかりに困った笑みを向けられ

そそくさと二人で何処かへ行ってしまった


その姿に
俺はなす術もなく頭を縦に振る事しかできなかった



「めちゃくちゃ…綺麗だった」



無理もない

のちに判明した

校内中で噂(誤報)の美男美女ケンカップルと言われてる

清楚で可憐な日比谷さんが


軽い身のこなしと男顔負けの漢気で
修羅場をおさめてたなんて


そんなの、魅入ってしまうに決まってる

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graybear(プロフ) - シルバーさん» 失礼致しました!こちらの不注意で不快な思いをされてしまったのであれば申し訳ございません!こちらオ?りふ?ラはお外ししました!お伝え頂きましたありがとうございます。 今後、同じことが無いよう留意致します! (2022年7月9日 22時) (レス) id: b4decafeee (このIDを非表示/違反報告)
シルバー(プロフ) - オ/リフラが立っています。外して下さい。 (2022年7月9日 21時) (レス) id: 4df619e2e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:graybear | 作成日時:2022年7月9日 20時

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