文化祭 ページ16
本日は私の通う学校の文化祭1日目｡
『…どうしてこうなった』
いちご色で可愛いお顔の巨体うさちゃん(着ぐるみ)｡
人相が最悪なのに学ランをかっちり着こなすガリ勉さん｡
マスクと帽子で顔が全く見えない屋台のお兄さん｡
クラスの出し物である【コスプレ喫茶】で注文を取ろうとしただけなのに､えらいパンチの効いたお客の席を訪れてしまった｡
「おい､Aは表出ねぇって聞いてたんだけど､なんでいんの?
しかもなんでそんなもん着てんの? この出し物の主催を呼んでこい､殴る」
大きな頭をグラつかせるピンクの巨体からは
怒気をはらんだマイキーの声｡
学校の椅子に収まりず踏ん反り返った体勢で座している｡
態度も相まってそのセリフが横暴な地主のそれなんだよなぁ｡
「なぁ､おい｡ ここ甘ぇモンしかねぇのかよ｡
A､在り合わせの材料使ってガッツリな飯作ってこい」
瓶底メガネと一括りに纏められた髪の毛という昭和初期さながらのスタイルに似合わないキツめの顔と口調な圭介兄｡
時代錯誤のガリ勉に扮しても､メニューに無いものを注文する愚行を浴びせられ､やはり知性の無さは隠し切れないかと落胆させられる｡
ぶぶ漬けでも出してやろうかな｡
「全くもっておかしいだろ｡ 短ければ良いって感じのド◯キのコスプレ衣装よろしくなペラッペラメイド服もどき着させるとかマジ終わってんな｡ 第一､Aに似合うのは装飾控えめなヴィクトリアンタイプで髪の毛はもっと編み込むように纏めたうえで白いリボンを…」
いっそ黒いサングラスでも掛けようものならモノホンに見える､犯罪者予備軍ハル君｡ もはやなんで校門潜れたのよ｡
その格好でその早口は流石にまずいし､文句を言う割に携帯やらデジカメやらを向けている絵面がとんでもない｡
それよりもなによりも､メイド服ってそんなに種類あるんだね｡ 私､知らなかったよ｡
『一応聞くんだけどさ､何しに来たの?
…あとハル君のシャッター音と録画回してる手を
どうにかしてほしい､色々とやかましい』
「「妹分の文化祭ほど心配な物はねぇだろう」」
『冷やかしならお帰りくださいお客様方』
見た目の破壊力もあって､いつもより圧が凄いです｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：graybear | 作成日時：2024年1月11日 21時
