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「というかAさぁん?
話はだーいぶ逸れたけど､ニィとの関係性…
まだ深掘りできてないんですけどぉ?」
怪しい笑みを浮かべるエマが視界にフェードイン
『いや､だから会ったばっかりで…』
「この前の少女漫画みたいな奇跡の再会と
お墓参りデートについてもっと聞かせろぉ!」
お墓参りデートって…おいおい｡
ロマンもトキメキもあったもんじゃない
ワードセンスだよ｡
『イザナさんは､たぶん気まぐれってだけだよ｡
何かにつけてたまたまってだけで､
そんな運命とかって呼べるもんじゃないし｡
お墓参りも“ついで”だって言ってたから
暇潰しみたいなものだったんだよ』
「そうかな?
話を聞いてるとそれだじゃ無い気がするし､
私は気になるなぁ､Aちゃんがどういう風な気持ちでいるのか!」
「ジブンも聞きたい!! 春兄には黙っておくから!!」
『うーん､恋とかそういう話じゃないよ｡
どういう腹積もりかは知らないけど
良くも悪くもイザナさんはマイキー達に
ちょっかい掛けられている私が物珍し感じ?』
ここまで改まって聞かれると
私とイザナさんの関係性は説明し難い｡
話していてよく分からなくなり
結局､疑問形になってしまった｡
「むっ､ここまで言ってもはぐらかすつもり…」
『でも』
ここで一拍の間ができてしまった｡
集まる視線に戸惑いつつも出来た停止の一時｡
自分の中で処理しきれない不確かな気持ちを
言葉にする決心を固めたる為､
敢えて溜めた間合いだったのかもしれない｡
『気になる人だよ｡
イザナさんが私のことを知っているくらいに
私もイザナさんのことを知りたくなったの｡
好きとか嫌いとか､
そういうのはまだ見分けられないし
きっと後から着いてくる感情だと思う｡
だから紛れもなく､関係性の進展はしてる
…と､思うっていうか?』
私の忘れかけてしまいそうだった
お母さんを知ってくれていた人｡
この気持ちは
記憶がないことへの罪悪感か
純粋に理解者になってくれた事への好感か
もっと違う心境か｡
「「……っ!!」」
掻きむしりたくなるような蒸し暑い夜長は
無常に更けていくばかり｡
まるで煮え切らない私の心情のようだ｡
▼この後､キュンキュンが止まらないガールズはAちゃんに抱きついて根掘り葉掘り聞いてきます｡
尋問は続くよ､どこまでも｡
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作者名：graybear | 作成日時：2024年1月11日 21時
