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迂闊だった。
そもそも横山さんたちが聞き込みに来た時に、気づいていれば良かったんだ。
『…もう、居ないよね』
渋谷「……おん、」
車の中から後ろを覗いても、何も変わったことはなさそうだった。
私たちはそこでタクシーを降りて 早足で森の中へと進む。
ガサガサと当たる草で足を切ったけど、そんなこと気にしてる暇はない。
渋谷「は…まさかここまで来ると思わんかったわ。」
『うん…びっくりした…』
渋谷「もうちょい歩いたら小屋が見えるから。
そこまで行けるか？」
『うん。』
彼の言葉に頷くと、彼は「良い子」と私の頭を撫でる。
そして手を繋いで歩き出した。
小屋へ向かう途中、すばるくんは今まで話してなかった過去を私に打ち明けてくれた。
昔、この村に住んでいたこと
父親に暴力を振られ、捨てられたこと
母親が女手一つで育ててくれたこと
でも、父親が戻ってきて母に暴力を振るい出したこと
助ける為に必死で抵抗したら、誤って殺してしまったこと
渋谷「…結局、オカンは死んでもうたんやけどな。」
『……』
渋谷「俺は未成年やったし、正当防衛で罪にならんかってん。
…せやけど、アイツ殺した時の感覚が忘れられへんくなって、」
彼は繋いでない方の手を見つめる。
渋谷「気づいたら、ナイフ持って 人 刺してとった。
立派な人殺しや。」
『…』
渋谷「オカン居なくなって、俺には何もなくなってもうた。
もう、どうでも良かってん。」
渋谷「ほんで、もう死んでまおう思った時や」
渋谷「……Aに会った。」
んは、と笑う彼。
大好きな、彼の笑顔だった。
渋谷「明らか怪しい俺 家に上げるし、泊めるし。
変な女や思った。
…変なことしたら、殺せばええって、思っとった。」
渋谷「せやけど、あかんかった。
お前の笑ってる顔見てたら、好きになってもうた」
彼が、足を止める。
渋谷「初めて、守ってやりたいって思った。
そばに居りたいって思った。もっと笑って欲しかった。」
『…ッ、』
渋谷「気づいたら、人 殺せなくなってた。
殺そうとしても、お前の顔チラついて、手が止まって…」
渋谷「…せやから、俺を変えたんはAやねん。」
ボロボロと溢れる涙を、彼が親指で拭ってくれる。
それでも涙が止まることは無かった。
私は、彼を愛しいと思った。
渋谷「お前が俺を変えてくれたんや。」
彼が、本当に愛しかった。
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なっか(プロフ) - ぁぃ岡ちゃんさん» お返事遅くなってごめんなさいorz 村上くんは登場させた時からヤンデレ落ちにしようと心に決めてたので そう言って貰えて嬉しいです！多分この小説の中でマトモなのは横山くんだけです(笑) 新作の方もちまちまと更新するのでこれからもよろしくお願いします＼(^o^)／ (2018年11月29日 7時) (
レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - 変なタイミングでコメント失礼します。実はこの作品3回以上は読むほど大好きで...！ ヨコもひなちゃんもいいキャラだし、何より殺人鬼とは思えないこのすばるくん！！！もう会えないとかとても悲しいですが、幸せな気持ちにもなって、、！新作の更新も楽しみです！ (2018年11月24日 13時) (レス) id: b0cf436bba (このIDを非表示/違反報告)
のこ - にゅいさん» ほんとそれ。 (2018年6月6日 1時) (レス) id: d930366955 (このIDを非表示/違反報告)
なっか(プロフ) - ∞みきりんご∞さん» お返事が遅くなってごめんなさい(＞＜)はい！フォロバさせていただきました、ありがとうございます！ (2018年2月26日 21時) (レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
∞みきりんご∞(プロフ) - なっかさん、青鳥フォローしました！どさくさに紛れて、みたいな感じですが… りゅーかってやつです。 (2018年2月26日 19時) (レス) id: 4856ac329b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なっか
| 作成日時：2017年12月19日 12時
