名探偵の仰せのままに【江戸川乱歩】

番外編 ページ7

※付き合ってます

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｢乱歩さーん｣

｢んー｣

｢おーい｣

｢んー｣

先刻からずっとこの調子だ。名前を呼んでも んーしか云わないし、彼は好物のお菓子を食べるのに夢中みたい。

まあ分かるよ。人の至福のひとときを邪魔するなんてそんな事しないよ。それにあの乱歩さんだよ？座右の銘は僕が良ければ全てよしだよ？

もう慣れた。

けど。

けどさ。


流石にこれはなくない？酷くない？私仮にも彼女だよ？？＿＿＿まさかこれが噂の放置プレイ？

なわけあるか。

｢らーんーぽーさーん｣

｢んー｣

……こうなったら意地だ…！！！！！

絶対反応させてやる！！先ずは甘いもの作戦！

｢乱歩さん、ケェキ作りました。一切れ如何です？｣

｢今お菓子食べてるから後で食べるよ｣

チッ、失敗か。よし、次の作戦。

｢乱歩さん、実は福沢さんの隠し撮りがあるんですけど見ます？｣

｢社長に怒られるから消しなよ〜｣

エッ、福沢さんでもなびかないのッッッ！？？！

あの乱歩さんなら絶対食いつくと思ったのに……。

こうなったら＿＿＿＿＿＿


｢らーんぽさん！コンビニ行きましょ？｣

ソファーに座る彼の顔に“態と”胸を押し付ける形で後ろから抱き着いた。此れで駄目ならもう無理だ。捨て身の作戦！

｢…いや、いい｣

｢そ、そっか＿｣

作戦は全て失敗。撤退しよう。乱歩さんはきっと、今日は1人でいたい気分なんだ。ならば私は大人しく帰ろう。

そう思ってドアノブに手を伸ばしたそのとき＿＿＿

｢ごめん、流石にやりすぎた｣

彼に腕を掴まれた。

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