07爆弾魔 ページ8
.
.
｢嫌だァ……もう嫌だ……｣
｢ぜんぶお前らの所為だ……『武装探偵社』が悪いンだ！｣
｢社長は何処だ、早く出せ！でないと＿＿＿爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ！｣
ガタガタと震え、爆弾とその釦を持ち、少女を人質にとった爆弾魔、基谷崎。切羽詰まった表情、声色に演技だと分かっていても思わず感心してしまう。
役者の才能があるのではと思いつつ自分も仕事をする。
｢まあまあ、落ち着きなって。＿＿あの憎き探偵社へ復讐する為には先ず冷静にならないと｣
谷崎の肩に手を置き、彼を制すA。それから声のトーンを落とし、彼の耳元で妖艶に呟いた。
ドラマでよくみる役者さんたちの様を、見様見真似で演じてみる。上手く出来ていてもいなくても、まあ割と楽しいからおっけー！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
Side.Kunikida
あんなAさん、初めて見た…。今の彼女にいつものおちゃらけた雰囲気は1ミリも無い。妖艶で、静かで、悪人の顔なのに綺麗だと、思ってしまった。
彼女の演技に思わず鳥肌が立つ。
｢あちゃー｣
太宰のその一言でハッ、と我に返る。
｢怨恨だ｣
今は新人の入社試験中。私情は挟むな。俺らしくもない。
｢犯人は探偵社に恨みがあって社長に会わせないと爆破するぞ、と｣
｢ウチは色んな処から恨み買うからねえ｣
太宰はそう云うと、爆弾をちらりと見る。
｢うん。……あれ高性能爆薬だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね｣
因みにそれは全くの嘘だ。あれに爆発機能はついていない。
｢爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど……この状況じゃなぁ｣
｢どうする？｣
太宰の言葉に、俺は尋ねる。新人は終始何とも云えない表情で俺たちを見ているだけだ。
｢会わせてあげたら？社長に｣
｢殺そうとするに決まってるだろ！それに社長は出張中だ｣
演技だと分かっていても、このような事が起きた際に太宰は実際に云いそうで怒りが募る。
｢となると…。……人質をどうにかしないと｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2020年2月7日 18時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ふぁみる(プロフ) - 酸素無駄遣い装置さん» え、全消し…？いやそれは発狂ものですね(^^;;考えるだけで恐ろしい...。でもわたしも携帯変えた時、iPhoneのメモに書いていた小説が全部消えて死にたくなりました^_^ (2019年8月4日 14時) (レス) id: c0e25d04c7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁみる(プロフ) - 銀桜さん» ありがとうございます！これからの展開、ちょっと面白くなりそうなので乞うご期待！ (2019年8月4日 14時) (レス) id: c0e25d04c7 (このIDを非表示/違反報告)
酸素無駄遣い装置 - 作者さん、私もそれやったことあります、一回全消しして発狂したの覚えてます (2019年8月4日 12時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
銀桜(プロフ) - 国木田くんと夢主ちゃんおめでとうございます。続き楽しみにしてます！ (2019年8月4日 8時) (レス) id: 1194b2a018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぁみる x他2人 | 作成日時：2019年6月15日 21時
