世話の焼ける人。【国木田独歩】

06適当 ページ7

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先日行われた会議にて、Aは随分面倒な役目をやらされる羽目になってしまった。

それは、例の新人の入社試験で爆弾魔を演じるというもの。何時間もの会議の末、結局採用されたのは谷崎の『社内ニ於ケル厄介事ノ解決？』という案。

しかし入社試験向きの“厄介事”が中々無かった為に、事件の偽装をすることになった。

よって、谷崎とAが爆弾魔となり、ナオミを人質にとり探偵社に立て篭もるという台本(シナリオ)で中島がどんな対応をするのか試すのだ。

｢はあ〜めんどくさいねえ、じゅんじゅん｣

｢え、はい、まあ…｣

｢私は楽しみですわ！｣

現在探偵社にて、準備を終えてぽけーとしているAと谷崎兄弟。因みにナオミの人質役は彼女自身が進んで志願した。

｢あ、国木田から連絡。もうそろそろ着くって｣

｢じゃあ準備しましょうか｣

それから谷崎がナオミを拘束している間、彼女はずっと興奮していたが気にしないでおこう。彼らに深く突っ込んではいけない。


｢まあ適当にやれば何とかなるか｣


そう云ってニパッとAは笑った。適当こそ、彼女の愛する言葉であり、生き方であり、彼女そのものである。

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