世話の焼ける人。【国木田独歩】

03手料理 ページ4

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｢お邪魔しまぁす｣

相変わらず綺麗な部屋だ。無駄なものは一切無いし、埃1つ落ちていない。生活感もあるのに清潔感もある。

｢国木田ママ恐るべし…｣

｢何か云いました？｣

｢別になんでも！｣

以前本人の前で国木田ママと呼んだら、余程嫌だったのか丸一日返事をしてくれなかったことがあった。それ以来本人の前でそう呼ぶのは控えているのだ。

｢この時間ですし、消化に良く低カロリーのものを思って、豆腐とブロッコリーの蕎麦サラダを作っておきました｣

彼はいつも私の体のことを考えて料理を作ってくれる。今日は蕎麦とブロッコリーを茹で、その上に豆腐とプチトマトを乗せた蕎麦サラダ。好みでドレッシングをかけても善い。

｢サッパリしてて食べやすい〜｣

｢それは良かったです｣

22時以降に食べると太りやすいとよく聞く。けれどその中でも太りにくく、尚且つ消化に良く低カロリーとなると作る側としても大変だろう。

何故彼は私の為にそこまでしてくれるのだろう？

私は彼に迷惑しか掛けていないはず。普段から仕事をサボり、太宰と共に彼を揶揄い、彼の眼鏡を割り、書類に酒を零し……。


在れ、私ってもしかして最低最悪の上司？


｢国木田、今までごめん｣

｢はい？｣

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