佐野くん。２ (ページ6)

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現実と理想ページ6

side you.

和希「ほら、だから言っただろ」笑

「和希くん…これは夢？」

和希「現実」

「…夢だよね？」

和希「現実だって」

田崎「おめでとう！明日の営業は林・木谷ペアに決定でーす」

「うそ…」

はい。見事当選しました…

もう私はついてない運命なんだとさえ思えてきてしまうついてなさ。

ああ神様

私の人生は理想通りにならないことばかりです。

なんて、信じてもいない神様にすがってみたり。

いつだってそうだ、どれほど神様にお願いしたって、普通の抽選は当たらないしビンゴだっていつも最下位。

「はぁ…」

誰にでもなく、自分の運の悪さに一つため息がこぼれる。

田崎「という訳なんで、林くんと木谷さんは岩ちゃんに教えてもらって準備しておくように！岩ちゃんもちゃんと準備しろよー？」

岩田「はーい」笑

田崎「はーい。じゃおわりー。戻ってくださーい」

その声で元の席に戻るみんな。

いや待って待って。これって…

和希「ごめん…怒ってる？」

「怒ってないよ……」

和希「きっとすぐ終わるだろうし、一瞬だけだって。それに、新入りにそんな大事な商談やらせねぇだろ？」

「そう…だよね…うん、きっとそう…」

…そうは言っても、無理だよ…

そこへ佐野くん登場。

佐野「Aってマジでついてねーよな」笑

「ははは…」

佐野「ちょっ、生きてる？おーい」

もう、今ばっかりは佐野くんの言葉すら入ってこない。

岩田「ちょっと岩田組二人しゅうごーう」

やだ…行きたくないよー…

佐野「岩さん呼んでるよ。頑張れ」笑

その言葉を背中に半ば和希くんに引っ張られるように岩田さんのところへ。

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