佐野くん。 (ページ45)

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side you

「ちょっと佐野くん！はははって！そっすねって！」

佐野「うるせーなー」

「だって佐野くんが!」

私がそう言うと、佐野くんが立ち止まって後ろを向いて、

佐野「あんなの金さんも冗談で言ってるんだよ。間に受けんなっつーの」

とか言いながらデコピンしてきた。

佐野くんのデコピンは地味に痛い。

むしゃくしゃしてる時にされるとムカつくぐらいに。

「イタッ！なにすんの！」

そう言ってキッと睨むと、もう佐野くんは

佐野「これだから、このおバカちゃんは…」

なんて言いながら歩き出した後だった。

「おっ、おバカちゃんってなに！」

ほんっと、ひどすぎる！

私の気も知らないで…

そりゃあ、佐野くんにテストの点数で勝ったことはないけどさ…

そんなに差があるわけでもないし。

ほんとに、デリカシーっていうものがなさすぎる。

…いや、デリカシーもなにも、私の気持ちに気づいてないのか。

はぁ…。

佐野「早くしないと置いてくぞ」

ほら、すぐそういうこと言う。

「佐野くんがもっと優しかったらなー」

聞こえよがしにそう言っても、

佐野「俺はいつも優しいっしょ」

なんて言って。

どの口が言うんだか。

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