空っぽ ページ45
side you
広臣がこの世からいなくなって
2日が経った。
もう私は退院した。
広臣に振られたあの時の以上の
喪失感に襲われて、
夜になると涙が溢れる。
なにをするにもやる気が出ない。
天国に広臣はいるだろうか。
私も行けば会えるだろうか。
そんなことを考えていた時だった。
プルルルル…プルルルル…
かかってきた電話。
表示は、
【広臣】
広臣…?
震える手で通話ボタンを押す。
「広臣っ?」
『Aちゃん…?」
電話に出たのは広臣じゃなくて、
広臣のお母さん。
「はい…」
少し、がっかりしてしまった。
もう会えないのはわかってるのに…
会いたいよ…
『ちょっと、見て欲しいものがあるの…今から病院、来てもらえる…?』
見せたいもの…なんだろう。
できれば今は広臣のものには触れたくない。
会いたくなるから。
でも、ノーなんて言えない。
「わかりました…予定もないので。」
本当は、仕事があるんだけど。
仕事が生きがいだった私は、
あの一瞬で
広臣が生きがいになった。
だから、仕事に行って逆に足を引っ張るのも嫌で。
このままじゃダメっていうのは分かってるんだけど
この二日間、会社も休んでる。
先輩は心配してLINEしてくれるし
行かなきゃとは思うんだけど。
『ありがとう』
ツー…ツー…
「はぁ…」
ひとつため息をついて、支度をして、病院に向かった。
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lightning(プロフ) - ☆凛☆さん» 初めまして!ありがとうございます!こんな作品を楽しみにしてくれる方がいてくださって本当に嬉しいです! (2017年4月13日 15時) (レス) id: 75a13d2172 (このIDを非表示/違反報告)
☆凛☆(プロフ) - 初めまして。更新楽しみに待ってます(*^^*) (2017年4月13日 9時) (レス) id: f8f8acef62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜芽 | 作成日時:2017年4月1日 21時