087 年の瀬 ページ39
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ジスの誕生日当日。
あれから話せずにいたけれど、勇気を出して電話をかけてみる。
｢……もしもし？いま時間大丈夫？｣
｢うん、全然大丈夫｣
｢急にごめんね、ジス改めてお誕生日おめでとう｣
｢ありがとう、元気してた？｣
まだ6日しかたってないけどね、と笑うジス。
いつも通りで少し安心する。
｢そっちの天気はどう？｣
｢今日は晴れてるよ、空気も気持ちいい｣
｢よかった、気をつけて帰ってきてね｣
どうしてもぎこちなくなってしまう私に気付いたのか
電話越しにジスが大声を出して笑う。
｢な、なんでそんなに笑うのさー！｣
｢それそれ、Aはいつも通りそうでなくっちゃ｣
ぎこちないAも新鮮で面白いけど、と揶揄ってくるジス。
………この人はどこまでもいい人なんだな。
来週には韓国へ帰ってくるというジス。
早く皆で集まりたいね。
…
(※韓国では旧正月を重要な日とされているようで、
新正月にお祝いをすることはないそうですが
都合により一部事実とは異なった表記をさせていただきます。
予めご了承ください。)
ついに今年も最終日を迎えた。
新年に向けて準備をする者、今年一年を振り返る者。
とにかく世間はお祭り騒ぎだ。
私はというと、これといってやることが無かった。
あと数分で年が明けるというのに
だらだらとソファに寝転んで歌謡番組見ていると
テーブルの上のスマホが震え出す。
……画面には ジョンハン の文字。
忙しいであろう年の瀬に一体なんの用だろう？
｢……もしもし？ジョンハン、何かあったの？｣
｢うん、声聞きたくなった｣
なんだその理由、とは言いながらも身体は正直で
態とらしくときめきを音に変える心臓。
｢それで、本当の要件は？｣
｢明日さ｣
『それではいきま〜す！年明けまで！
ご〜、よ〜ん、さ〜ん、』
歌謡曲番組の司会者の声が思った以上に大きくて
ジョンハンの声が聞こえなかった。
｢ごめん、なに？｣
｢明日｣
『に〜！い〜ち！！』
｢明日、一緒に｣
『あけましておめでとうございま〜〜〜す！！』
タイミングよく遮られたジョンハンの声は年越しと共に消えていった。
それが中々に面白くて爆笑してしまう。
｢年明け一番にAの笑い声聞くとか悪い年になりそう｣
｢何よ失礼な、ジョンハンからかけてきたんじゃん｣
いつも通りの言い合いにふたりで笑い合った。
｢あけましておめでとう｣
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malolo(プロフ) - 優さん» あたたかいコメントありがとうございます🔅優さんのお気持ちをモチベーションに書き進めたいと思います！続編を出しますので今後ともよろしくお願いします🙇 (2021年12月24日 18時) (
レス) id: 17a6b72bbe (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 毎日続きを楽しみにしています……！！最高です！ (2021年12月23日 23時) (レス) id: 12d6a4162a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：malolo | 作成日時：2021年12月18日 17時
